会計には、財務会計と管理会計の2つがある
企業の業績を把握するための手法として「会計」がありますが、これは(1)財務会計と(2)管理会計という2つの分野で構成されています。
(1)財務会計は、冒頭から説明させて頂いている財務諸表を外部利害関係者(株主や得意先、取引先など)に開示するための役割を担っています。
外部利害関係者といっても、それぞれの利害が異なりますので、企業会計のルールにのっとって、過去の実績を正確に集計して、決められた期間に財務諸表を作成・開示することが求められます。
一方の(2)管理会計は、企業内部の経営者、管理者、一般社員に対して、仕事を進めるうえで判断に役立つ情報の提供が主な役割となっています。
このため、財務会計のように企業会計のルールの影響も受けませんし、データも過去に限定されたものではなく、現在・未来のデータを中心とした内容になっています。
また、集計単位についても、全社はもちろんのこと、製品別、部門別、地域別、個人別といったように自由に集計単位を決められますし、報告頻度についても制約がありません。
このように財務会計と異なり、自由度が高いのが管理会計です。
なので、経営者の経営判断データだけの集計にとどまらず、管理職や一般社員の方々にとっても、業績改善に役立つデータ提供も行えるのが管理会計の魅力といえます。
最近では、KPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)という言葉がビジネスシーンで登場する機会が増えています。
財務諸表に出てくる金額だけでなく、金額に関連するデータも含めて、管理会計を会社内部で、どのように活用するかが業績改善のカギを握っているといえます。
※次回は、12月1日(木)に掲載します。