11月以降の米金利上昇を受けて円は対ドルで下落に転じると考えているが、想定したほど円安は進んでおらず1ドル=82~84円での動きが続いている。思ったほど円安が進まない理由の一つに、対ドルでの東アジア通貨高があると考えている。
昨年10月末を100とした東アジア通貨の対ドルレートを比較すると、1月20日時点で台湾ドルが105.2と最も強く、次いで人民元が101.3、韓国ウォンが99.7だ。北朝鮮による砲撃の影響もありウォンはやや弱いが、台湾ドルや人民元はドルに対して上昇しており、この東アジア通貨の上昇に引っ張られて円安が進まない側面があるとの見方がある。
東アジア通貨上昇は各国の利上げが主因だ。インフレ圧力への警戒感から韓国は昨年7月以来3回、台湾は6月以来3回、中国は10月以来2回政策金利を引き上げた。今後も利上げは続くと思われる。