感情を最大化するには、欲求と向き合うのがいちばんいいでしょう。一生勉強を続けていくのも決して難しいことではありません。シリーズ6万5000部を突破した『ずるい勉強法』より、情熱スイッチのつくり方をお伝えします。
情熱を力に変える4つのステップ
勉強を続けるためには、欲求を明確に持つべきです。欲求があれば、人は情熱を燃やしながら取り組むことができます。
米国の心理学者アンジェラ・ダックワース氏の提唱する能力に「グリット(やり抜く力)」というものがあります。
重要な目標に向かって長年努力を続け、やり抜く力のことを意味しています。
社会で成功するためには、生まれ持った才能や知能、学歴ではなく、このグリットこそが必要だと言われています。
そして、グリットに欠かせないのは、欲求を満たそうとする情熱です。情熱をエネルギーに、やり抜く力を持続させていきましょう。
最初に、自分の欲求を明確にします。連載第4回でも少しお話ししましたが、この欲求は、きれいごとではない、本能的な欲求です。「モテたい」「お金が欲しい」など、一生思い続けることができ、かつできるだけシンプルな欲求です。
次に、限りなく大きな目標を立てます。「お金が欲しい」という欲求を持っている人だったら、「長者番付にのる」「大企業の社長になる」などでもいいです。この大きな目標が、みなさんの情熱の火を燃え上がらせてくれます。この目標に向かって「やるぞ!」と意欲がわいてくるのです。
私の場合、「500年後にも残る事務所をつくる」「自分の事務所を世界一の事務所にする」などと公言していました。こう言うと、「500年後には生きてないでしょ」「世界一の基準って何なの?」などとツッコミが入るのですが、目標は大きければ大きいほどいいと私は考えます。
今度は、その大きな目標から逆算して小さな目標をつくっていきます。社長になるために、「まず経営学を勉強する」「営業力を磨いて独立を目指す」「人脈をつくる」など、夢に向けて今からできる目標をつくるのです。これが、情熱の火を維持していく力になります。
そして、その小さな目標をクリアしていくことを習慣にしていきます。
小さな目標は、数値化することが重要です。大きな目標は主観的なものでもいいのですが、小さな目標は、客観的に見てもわかるものでないと、達成したかどうかの判断がしづらいからです。
私なら、「月1000万円の売上を目指す」「従業員を1年後に10人増やす」「弁護士ランキングトップ100に入る」などです。
誰が見てもわかるような、具体的な数字を織り込むようにしましょう。
小さな目標も、達成できないと落ち込むことがあります。どんなに情熱を維持しようとしても、心が折れることもあります。私にもそのようなときがあります。
そのままやる気を失ってしまわないよう、情熱の火を再点火させる「スイッチ」をつくっておきましょう。
私の場合は、「大好きなDVDや漫画を見ること」「音楽を聴くこと」、そして「自分がライバルと思う相手や、向上心にあふれる人、尊敬している人に会うこと」などをスイッチにしています。DVDや漫画、音楽は、単純に気分を上げてくれます。そして、人と会って話をすることで「負けたくない」「こんなふうになりたい」という気持ちが芽生え、やる気が満ちてきます。
この情熱のスイッチは、みなさんが思っている以上に効果絶大です。なぜなら、「頭」ではなく「心」に訴えかけてくるものだからです。感情がダイレクトに揺さぶられると、情熱の火は再点火します。そして、再び点火した炎は、なかなか消えるものではありません。