ナイアンティックは
ゲーム会社ではない

<<ナイアンティックはグーグルの社内ベンチャーとしてスタートし、15年に独立した。CEOはジョン・ハンケ氏。12年には位置情報ゲームである「イングレス(Ingress)」をリリース。周知の通り16年にリリースしたポケモンGOは、全世界で5億ダウンロードを記録する大ヒットとなった。>>

村井ナイアンティックはテクノロジー企業ですが、テクノロジー企業の持っていた課題としては、情報の流通をいかに活性化していくかが、大きなポイントだったんですね。私もどっぷりその世界に身を浸して頑張ってきたんですが、ナイアンティックに移って実現したいと思ったのは、情報の流通というよりも、人の移動だとか、人の流通というものをいかに活性化できるのか、ということ。それをテクノロジーの観点でどのようにやっていくのかに、我々のチャレンジがあると考えていました。

 人を流通させるためにわれわれがゲームというもの――実際に、イングレスとポケモンGOというものをプロダクトとして提供しているので、ゲームの会社だろうと思われていますが、実はわれわれ自身はゲーム会社であるとは全く思っていなくて、人の流通を助けるためのプラットフォームを作り上げて、そのプラットフォームをみなさんにお使いいただけるような企業になりたいと思っています。

 実際、ポケモンGOもイングレスも、ある目標を与えると人が動き出すだろうという仮説を立て、イングレスをやる、ポケモンGOをやる。そのことで、多くの人たちがゲームを楽しみながら、いつの間にか動き出し、歩き出し、コミュニケーションを取りだしている。そういうことによって、われわれの仮説が実現され、検証されたと思っています。それでわれわれ自身としては、どんどんこういうビッグタイトルを出していくゲーム会社としてやるよりも、ゲームは人をオンラインからオフラインへ繋ぐことを実現できる一つの事例として、みなさんにご理解いただいて、我々のプラットフォームを利用して、何かしらを実現できるものを提供していきたいと考えています。

<<続いて尾原氏がローソンの野辺氏に「リテイラーからプラットフォーマーにならないとやばいという危機感はどこから来ているのですか」と問いかけた。>>

野辺 コンビニは利便性で商売をしてきました。現実にはECが便利になり、1時間で商品を届けてくれるとなると、お客さまは5分の距離にあるローソンに行くことと比較し始める。これが30分、さらには5分で届けてくれると、どこかで壁が崩れてしまう。デリバリー(物流・配送)の発達で時間の壁がどんどんなくなり、コンビニの存在価値がなくなるかもしれない。それが危機意識の原点です。アマゾンなどは先行投資の段階だと思いますが、物流のメッシュが細かくなり物量さえ増えれば、最終的にはコスト下がり収支はあってきます。