脳も肝臓と同じように臓器のひとつである、という事実を実感する場面はほとんどありませんが、暴飲暴食が体には悪いけれど脳には良い、とは考えにくいものです。体にとって負担になる食べ方は、当然、メンタルにも影響を及ぼしてきます。皆さんは、休職による生活の変化を想像したことはありますか?今回は、メンタルヘルスで休職中・復職後の社員の食事について取り上げます。
心の病に糖質過多・タンパク質不足が追い打ちをかける
「いやー、ちょっと大変な部署なんですよね。食生活も関係していると思うんですけど…」
研修担当者がそう紹介した部署は、締め切りが頻繁に生じる環境かつ、大きな判断を任されることが多く、仕事においても人間関係においても強いストレスを感じやすい組織でした。私が担当する企業の中では、情報システムや営業の部署が多いように感じます。
業務や人間関係など様々な原因が考えられますが、メンタルヘルスに問題を抱えたとき、やる気、集中力、睡眠の質が低下することがあります。これらは疲れている時に起きることもありますが、栄養の面からいうと、糖質過多でタンパク質が不足しているときにも起こり得ます。
ただ、メンタルに負担がかかるとき=仕事が忙しいときでもあるので、そんな時は限られた時間で食事を済ますために、簡単に食べられるメニューを選びがちです。菓子パンやサンドイッチ、おにぎりなど片手でつまめるもの、もしくはカップ麺のように流し込んで食べられものを選ぶ人もいるのではないでしょうか。食べ方を変えれば解決する問題ではないにしても、今の食べ方が弱ったメンタルに追い打ちをかけている可能性は拭えません。
休職しても不安は尽きない
では、メンタルヘルスに課題を抱えて休職することになったとき、どのような生活を送ることになるでしょうか。たとえ職場でストレスが引き金になっていたとしても、休職したからといってストレスから完全に解放されて家でリラックスして過ごす、ということはほとんどないでしょう。
「職場に復帰できるか」、「今後の生活はどうなるのか」、そして、症状が改善して復職への準備が始まっても、「本当にやっていけるのか」「また同じことにならないか」など不安は尽きないものです。