人事・総務・管理職がメンタルヘルスで休職中・復職後の社員の食事をサポートするには

 食がメンタルヘルスを改善する選択肢であることを広く知ってもらうために、人事・総務・管理職が「研修」を開催するのも良いでしょう。参加のハードルを低くするために、フィジカルな健康セミナー(座学中心ではなく体を動かすもの)を主軸に置きつつも、講師の人にメンタルと食の関係についても少し含んでもらうと良いと思います。

 研修とまではいかなくとも、すぐできることでいえば、メンタルヘルスと食との関係が書かれた本を、オフィスの共有スペースに置くのもひとつです。その本だけを置くと露骨ですから、いろいろな系統の本や雑誌に混ぜておくと良いでしょう。自身の健康状態に不安があるときは、アンテナが高く立っているので、少しの知識でも良いきっかけになることがあります。

 ただ、一般的には、予備知識がないままにメンタルヘルスで休職することになるケースもたくさんあります。休職中の接点がほとんどない中で、企業側はどのようなフォローができるか、思案するところですよね。

 そんな時には、休職中に面談する機会がある人事の担当者、産業医や産業カウンセラーと食の重要性について考え、共有するのが効果的です。食事の中身をあれこれと指導するのではなく、ちゃんと食べているか、一日何食になることが多いか、食事の準備はどうしているか、など生活の様子が想像できることをヒアリングするのです。

 メンタルヘルスに問題を抱えると食に興味がなくなる人もいます。そのようなときに、無理に食べるのはつらいものです。そんなときには、外に出て活動量を増やすことで自然と食欲を取り戻すことができれば良いですよね。

 休職中の人にとっては、休職中の外出、特に昼間のお出かけに関して罪悪感を感じてしまうケースが少なくありません。しかし、心身の健康のためにも適度な活動量が大事ですし、外出によって、ずっと家で過ごすよりも食事のリズムが整いやすくなります。家にいると過食に走りがちな人には、外出は予防の一手にもなります。ぜひ会社の方から、散歩などのちょっとした外出を提案し、罪悪感を軽減してあげましょう。

 職場復帰できた人の話を聞くと、外に出られる気持ちになったあと、ファストフード店やカフェ、地域のスポーツセンターや図書館など、自分にとって出かけるハードルが低い場所を上手に活用しているように感じます。

 人事・総務・管理職は、こうした事情も想像して、休職中の社員が少しでも心を休められるよう、サポートしてさしあげてください。

 

(栄養士、食事カウンセラー 笠井奈津子)