トランプの駆使する思考法とは

一方で、トランプ大統領がある意味で優れている思考法もありますポジティブ・シンキング(これは思考法というよりも態度に近いですが)や、選挙戦で見せた戦略的思考です。

選挙では、自分の強み(イメージなど)と相手の弱みをかなりしっかり認識したうえで戦いを進めました。また、選挙人制度というアメリカ大統領選挙の特徴をしっかり理解したうえで、大票田であっても勝ち目のないカリフォルニア州などにはほとんど力を入れず、接戦州にその努力を集中することで、総得票数では負けながらも、選挙人獲得数では勝つという難しいことを実現しました。これらは、もちろん参謀の力もありますが、トランプ氏の抜け目のなさ、そしてある種の卓越した戦略的思考による部分が大です。

ただ、だからこそ不安な部分が大とも言えます。バランス感に必ずしも優れていない人間が、なまじ持ち合わせている戦略的思考を駆使するとどうなってしまうのか。選挙には勝ったけど、その後の政権運営で正しい目標設定ができない、微視的にしか物事を捉えられないでは困ります。戦略的思考は、本来は、権謀術数などに矮小化されるものではなく、より多くの人の幸福に用いられてこそ意味があるものとも言えるからです。

アメリカは日本に比べれば行政府のトップである大統領の権限が強い国ではありますが、一方で世界でも厳格な法治国家であり、議会や州政府の力も強いものがあります。勝手な暴走はなかなかできない構造はあります。側近らが、トランプ氏の弱点をどう補うかが重要なポイントとなりそうです。

今回は政治家となったトランプ大統領を取り上げましたが、企業においても、上の立場になればなるほど、良い結果を出すための思考法が高い次元で必要とされます。

ぜひ、今回取り上げたような思考法をあなた自身ができているか、再確認してみましょう。