国債の日銀引き受けが報道されたとき
マーケットに何が起きたのか
まず下のグラフを見ていただきたい。これは、3月31日から4月1日にかけての、10年もの国債金利の推移を表したものである。3月31日の14時に、金利は急騰している。この理由は、一部報道機関が「政府が日銀による国債引受けを検討」と報道したためであるという(時事通信社2011年3月31日)。
同日の日経夕刊では、「復旧復興税を創設 震災国債、日銀引き受け検討」との見出しで、「政府が」基本法の中に書き込むことを検討していると報じた。しかし、その後政府は、日銀引き受けの検討を真正面から否定し金利は落ち着いた。あやうく金利の高騰という重大事態を免れたのである。
国債の日銀引き受けは
なぜ問題なのか
復旧に向けた第1次補正予算編成作業が始まり、マーケットでは、その先の復興財源論に興味がシフトしつつある。
復興財源は、「国内的には日本人同士の連帯感の表示、国際的には、投機筋の日本国債売りに対抗する強い意思表示をする必要がある」という理由から、当面は国債発行で行うものの、その償還については、通常の国債とは別に、税財源を確保することを決めておく必要がある。このことは3月25日付の「目覚めよ納税者(第3回)」で述べたとおりである。