変化に富んだメニューが
食物アレルギーを予防する?

 以上はアレルギーのメカニズムに関する説明である。なぜメカニズムが起動するのか、「本来無害なはずの食べ物に対して、免疫機能が過敏に反応してしまうのか」については分かっていない部分が多い。対処法は多く、自然に治ってしまうことすらあるが、決定的な治療法はないのだ。

 子どものアレルギーの説明には向かないが、大人がアレルギーを発症する理由として考えられるのが「一線を超えてしまった」説だ。例えば40歳にして花粉症を発症した人は、それまで40年間にわたって花粉を浴びてきたことで、ついにその人の許容量を越えてしまったということになる。科学的根拠は乏しいが納得できるセンではある。

 この理屈で考えると、食物アレルギーの場合には「毎日続けて食べているもの」が原因物質になりやすいので、せいぜい一日おきにすべきという説がある。つまりさまざまな食材、さまざまな料理を食べるほどアレルギーに関しての「一線を超える」リスクが低くなるのだ。

 一週間、3食をなるべく違った食材で組み立てるのは難度が高いが、栄養バランスの観点と、食生活を充実させるためにも意義のあることではあるだろう。米のような、それこそ毎日食するものの場合、銘柄を変えるといった対処法もある。ただしほとんどの病気と同様にストレスもよくないので、まだ発症していないのに神経質になるのも考えもので、悩ましいところである。

ちょっと敷居が高いが
有望な「経口免疫療法」

 アレルギーに決定的な治療法はないと述べたが、期待できそうな治療法は既にある。経口免疫療法と呼ばれるものだ。簡単に言ってしまうと、原因の食物をあえて少しずつ摂っていくことにより、結果的にその食物を食べても大丈夫になるというもので、花粉症などでも同様の理屈による治療が行われている。

「あえて少しずつ食べれば治るんじゃないの?」という発想自体は怪しげな民間療法でも行われていることだが、経口免疫療法の場合「ほんの微量から始め」あくまで「医師の管理下で」続けるという点が異なる。実際に成果が出ているため注目されている療法だが、長期の通院が必要なうえ、必ず良くなるとは限らない。二の足を踏む人も多いというが、症状が辛いなら試す価値はあるだろう。

(ライター 工藤 渉)

参考URL:

ニッポンハム食の未来財団 食物アレルギーとは
https://www.miraizaidan.or.jp/allergy/about.html

厚生労働省 食物アレルギー
http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/kenkou/ryumachi/dl/jouhou01-08.pdf

厚生労働省 アレルギーの現状
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10905100-Kenkoukyoku-Ganshippeitaisakuka/0000111693.pdf

日本アレルギー協会 アレルギーの日
http://www.jaanet.org/aboutus/syuukan.htm

独立行政法人国立病院機構 相模原病院 経口免疫療法とは
http://www.hosp.go.jp/~sagami/sinryouka/syounika_keikoumeneki.html