会合に出る暇があったら
早く家に帰ったほうがいい

 妻からすると、そこまで働いてくれたことは嬉しいけれど、家庭のことをまったく顧みないことを恨んでいるのです。誰もが、「言えばいいのに」「言ってくれたらいいのに」と感じると思いますが、あまりにも価値観がずれている場合は、人はもう相手に期待したくないので、何も言わなくなるものなのです。

 最近、「パパの子育てを応援する」というNPOを運営している男性とお話しする機会がありました。その方は、全国の企業を訪問し、男性社員たちに「仕事が忙しい忙しいと言って、育児や育児にもっと参加しないと、家庭に居場所がなくなって、将来、熟年離婚するかもしれませんよ」と訴えているそうです。子育てに、パパの協力は必要不可欠です。

 しかし、実際はママが思う半分の協力も得られていないことがほとんど。「お迎えはパパの担当でしょ!」「ゴミ出しやお風呂掃除忘れてる!!」なんてケンカが、しょっちゅうというママも。はじめは、ケンカばかりしていたパパとママも、それが続くと、いつしかケンカをしなくなります。なぜなら……。

 ママがパパに期待するのをやめるからです。いくらお願いしても、パパの協力が得られないため、お願いすることをあきらめて、パパに何も求めなくなるのです。パパは、ケンカもなくなりママとも仲良くやっていると、のんきに勘違いして気づいていませんが、その間にママの気持ちは、どんどん冷めてしまっていて、会話することもなくなり、熟年離婚まっしぐらという状態です。NPOの男性は、そんなのんきなパパに「ママに嫌われて、家庭に居場所がなくなる前に、一刻も早く家事や育児に協力してママを助けなさい!」と、講演会で訴えているそうです。

 私は、その話にとても感動しました。まったくその通りだと思います。もちろん、すべてのパパがそうだとは言いません。家事や育児に積極的に参加しているパパがいることも知っています。しかし、日本は「世界一夫が育児に協力しない国」というデータがあるように、多くのパパたちは「仕事、仕事」と言って、あまり協力していない家が多いのです。

 私は思います。その「仕事、仕事」というのは本当に家族のためのものですか? もしかして、自分が活躍したいだけではありませんか? 色々なセミナーや講演でビジネスマンにお会いしますが、中には子どもが生まれたばかりの男性もいます。そんな人に対して私が思うのは、「こんな会に来る時間があるなら、家で子どもの世話をしたらいいのに」ということなのです。きっと彼は「忙しい、忙しい」と言って遅く帰宅していると思いますが、妻からしたら「そんな時間があれば1分でも早く帰ってきてほしい」と思っているでしょう。