商業施設を
夏場の「セーフティーゾーン」にする
むしろメリハリをつけた対策として、「オフィスと家庭は休業、商業施設は開業。ピーク時は出かけて、日本を元気に節電しよう」など、政府がPRしてもいいのではないか。先ほどの「営業時間の短縮」は、実は「節電対策」というより「自粛」の意味合いも大きい。これでは経済が回らない。
いっそのこと、商業施設は夏の「セーフティ・ゾーン」として、常識的な範囲で電力使用をピーク時もOKにしてもいいのではないか。
オフィスも家庭もエアコン一斉OFF。夏休みの昼間は、家族でデパートに買い物に行く、映画を見に行く、美術館巡りをする、レストランに食事に行く……。
長い夏休みが取れたら、山や海、プールでもいい。いっそ東京電力管内、首都圏を出て観光地へ旅行をするのもいいだろう。避暑地であればエアコンはいらない。何よりエコで節電対策になる夏休みの過ごし方だ。
家を出て遊びに行くことで、気分転換やストレス解消にもなる。何よりもこうして経済活動をすることで景気の向上にも寄与できる。共働き家庭にとっては、一斉の長い夏休みは、思いがけず家族との時間をゆっくり過ごせる良い機会となるだろう。
この節電の大チャンスを生かすも殺すも、夏休みの捉え方、考え方次第なのだ。
真夏のピークに仕事を休んでリフレッシュすれば、仕事の効率もアップする。長期間オフィスのエアコンを切って使用電力を抑えれば、節電効果もアップする。さらにはレジャーやショッピングで経済を回せば、景気動向もアップするだろう。
節電バカンスが企業や社会、経済にもたらす効果は、働きかけ次第で、想像以上に大きいものになるのである。