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クラウド人事システムを導入して
失敗するのはどんな企業?

――米ワークデイのバイスチェアマンに聞く

大河原克行
【第141回】 2017年3月15日
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スタンキー たとえば、社員が必要なスキルを学びたいと考えたときには、従来は上司からの指示に従って教育を受けるという仕組みでした。しかし、これからの新たな環境では、社員が、自らのスキルアップを考え、必要と思う教育を受け、そのために求められる情報を企業が提供する仕組みを構築することが不可欠です。

 人事部門や教育部門が作成したカリキュラムだけでなく、場合によっては、社員が現場で制作したビデオなども教材になることがある。そして、この教材がうまく効果を発揮しないのならば、それを柔軟に変更し、別の解決策を提案する必要がある。教育部門が、ラーニングオーガニゼーション(教育の組織)から、ラーニングオーガニズム(教育の生体)ともいえる柔軟性を持ち、それによって、より効果的に社員を教育する仕組みが、これから求められているわけです。ワークデイは、こうした新たな社員教育の考え方にも活用できるわけです。

――ワークデイを導入して失敗する企業とはどんな企業ですか。

スタンキー 従来のITシステムのやり方や、経営の考え方、組織の作り方をそのままワークデイで実現しようとする企業は失敗します。ワークデイを導入するのであれば、過去の考え方を捨て去ることが、経営トップには求められます。新たな技術やアプリがもたらす可能性を知り、そこから経営やビジネスを改めて考え直さなくてはなりません。

 そして、これを短期間に実装し、大きなビジョンに向かって細かい実装を繰り返していていくという発想が必要です。これまでのように、数年間をかけて大きなビジョンを実現するというような考え方のままでは失敗することになります。ちなみに、これまで、ワークデイを導入して失敗した企業はありません。それは経営トップが、ワークデイを導入することの意味を理解しているからです。

――こうした新たな経営に挑む考えを持った経営者はどの程度いると考えていますか。

スタンキー 毎年、経営者を対象にした意識調査をしていますが、新たな挑戦をしようと考えている経営者は、15%程度です。北米であっても、日本であっても、新たなことに挑戦しようとする企業経営者の比率はその程度です。

 ただ、それが都市部に集中しているかというとそうでもありません。私が住んでいるのは米国中部ですが、「そこにいる企業はレイトアダプターだ」と言われることが多い。私はそんなことはないと思います。どの国や地域でも、優れた会社は先を読むことができ、新たな技術を導入し、新たなアイデアを形にしようと考えています。そうでなくては、企業は成功できません。

 日産自動車や日立製作所、ソニー、ファーストリテイリングは、まさに変化をしていこうと考えている会社ですし、変化をしなければ生き残れないと考えています。私がみなさんにお伝えしたいのは、過去のERPをやめて、ワークデイを導入している企業は、どんな企業なのかということを見てほしいということです。人事システムの変化が、企業を変えており、新たな財務システムが企業の成長を支えています。ワークデイを導入した企業からは、「企業文化が変わった」という声や、「人事システムが利益を生むとは思わなかった」といった声があがっています。

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