緑がまぶしい茶畑(富士市)

富士山と餃子だけは
負けられない

 静岡県と山梨県の間で長く論争が続いているトピックがある。そう、富士山だ。2013年にはついに世界遺産に登録された、日本を代表する山。

 静岡県のウェブサイトを開いてみると、目に飛び込んでくるのは「ふじのくに静岡」という文字だ。次に山梨県のサイトを開いてみる。やっぱりある。「富士の国やまなし」の文字。はて、富士山はいったいどちらのものなのか。

 実は、山頂は富士山本宮浅間大社の境内ということになっており、県境は引かれていない。ただ、どこから見た富士を正面とするかという一点に関して、静岡県出身者の主張は熱い。

「表富士といえば静岡側から見た富士、と昔から決まっている。山梨のは裏富士でしょう」
「手前に宝永山が見えたほうが、全体のバランスとして美しい。宝永山は静岡側からしか見えない」
「海と富士山という構図がベスト」

 一方で、山梨県出身者には、

 ・富士五湖から見る富士がいちばん美しい。千円札に描かれている逆さ富士(湖面に映る富士)は山梨側から見たもの
 ・登山のアクセスが便利で、山梨側の富士吉田ルートがいちばん登山者数が多い

 といった主張があるようだ。

 論争の決着はさておき、両県出身者にとって富士山が偉大な存在であることには違いない。静岡市出身30代女性が言う。

「富士山が見えないと寂しい。東京にきて、毎日富士山が見られたのは贅沢なことだったんだなと気づきました」

 そんな富士山ラブな静岡県民だが、伊豆出身者は例外で、「伊豆からはほとんど見えないので、別にどっちでも…」と冷めた声も聞かれた。