「実発電量」から初期投資回収率を実際に算出してみた

 下の表は、「太陽光発電システム  見積工場」が、太陽光発電システムを設置している家庭をモニターに2010年1月から1年間の実発電量を計測した結果と、それによって発電された電力をすべて電力会社に販売した場合のキャッシュフローを予測し、J-PECの補助金と合わせるとシステム導入の初期投資額を10年間の余剰電力買取制度利用でどのくらい回収できるかをシミュレーションしたものである。

  シミュレーションでは各メーカーの製品とも価格を一律240万円と仮定した。その他の詳細な条件については表の注記を参照していただきたい。また、太陽光発電システムは設置環境によって実発電量が異なるため、このシミュレーションはあくまでも導入の際の考え方として理解していただきたい。

 調査に用いたのはいずれも国内メーカーの製品で、シャープ、京セラの製品はそれぞれ「シリコン系(結晶系)」と呼ばれる最も普及しているタイプの太陽電池パネルを搭載している。シリコン系は一般に変換効率がよいものの、製造工数がかかるため価格面では高額になりやすい。加えて、今では新興国にもシリコン系パネル製造のノウハウが行き渡った結果、日本、米国、欧州などの先行メーカーが、中国をはじめとするアジア諸国のメーカーに価格競争面での打撃を受けている。

 そんななか、近年急速に市場での存在感を高めつつあるのが「CIS(Copper、Indium、Selenium)薄膜系」と呼ばれる「化合物系」の次世代型パネルだ。これには銅やインジウム、セレンといった化合物が用いられていて、シリコン系と比べると原材料の使用量が少なく、かつ製造工数が少ないことから価格競争面では優位となる。

 CIS薄膜系は、シリコン系と比べると実発電量では同等か、場合によってはシリコン系を上回る水準にまで達してきている。また、鉛やカドミウムなどの物質を使用していないため環境負荷が少ないことや、影や熱に強いという利点もあり、たとえば太陽光パネルの一部に影が落ちても発電への影響は少なくてすむなどシリコン系にはないメリットがある。