ストック収入は
最初に仕組みを作るだけ

 では「ストック収入」とはどんなものでしょうか。
 ストック収入とは、一度仕組みを作ってしまえば、後はあまり手間を掛けなくても、継続的に収入が得られるものを指します。

 身近な企業の話でいえば、電気・ガス・水道といったインフラです。最初に発電所や電力網を構築するには莫大なお金がかかりますが、一度作ってしまえば、あとは何十年も働き続けてくれます。一旦契約した顧客はなかなか解約することはないので、毎月安定した収入が得られます。定期的な設備のメンテナンスだけで、何十年も継続的に安定した収入が得られる。これこそまさにストック収入の代表でしょう。

 最近ではアップルやアマゾンなどの世界的大企業も、音楽配信の定額制や本の定額読み放題など、ストック型のビジネスに力を入れ始めています。

 みなさんの身の回りのストック収入といえば何でしょうか。
 銀行預金につく利息はストック収入です。銀行にお金を預けておけば、金利に応じた利子がついて定期的に口座に入金されます。とはいえ最近は定期預金でも0.1%程度ですから、収入と呼ぶには心細すぎます。

 株式の配当金、投資信託の分配金もストック収入の一種です。たとえば日本を代表する企業であるトヨタ自動車の年間配当利回りは約3%。もしトヨタの株を1000万円分買ったら、1年間で約30万円を受け取ることができます。
 ストック収入のメリットは、安定的・継続的にお金が得られること。ただし株式投資などは価格の変動が大きいので、厳密な意味でストック収入と呼べるかは難しいところです。

フロー収入とストック収入を
組み合わせる

 多くの人はフロー収入だけしか持っていません。つまりサラリーマンとしての給料しか収入を得る手段がない。
 しかし、前述したようにフロー収入だけでは安定しません。働き続けない限り収入は得られないし、働く時間を増やしたり、人を増やさない限り収入アップは難しいからです。
 病気やケガで働けなくなったり、安定していると思っていた会社が突然倒産したりといった事態に見舞われる可能性は、誰にでもあり得ます。そんな時にフロー収入しか持っていないと、どこからもお金が入ってこなくなってしまいます。

 この事実をしっかりと受け止めて、フロー収入だけに依存する生活から脱出する努力をする必要があるのではないでしょうか。
 いつ働けなくなっても、会社をリストラされてもいいように、元気に働ける今のうちからストック収入を構築しておくのです。

次回はストック収入について詳しく説明します

生形大(うぶかた・だい)
1977年8月生まれ 富山県富山市出身。横浜国立大学工学部建築学科卒 横浜国立大学大学院修了。外資系証券(バークレイズ証券・JPモルガン証券)出身の投資家。現在、国内12棟189戸、海外3戸、都内の戸建て・区分マンション4戸の不動産を所有。不動産以外にも株・FX・先物・オプション取引・オフショアファンドなどあらゆる金融商品に精通。現在は資産運用の専門家として独立し、成功者続出の投資家を養成するスクールの運営、不動産投資セミナーの人気講師として、経済的、時間的な自由を志すサラリーマンに指導を行っている。主な出演メディアにサタデープラス(TBS系列)。主な著書に『年収1億円を生み出す[ハイブリッド]不動産投資』(ぱる出版)がある。