前回は投資信託を使って「積立投資」をするという方法であれば、まとまった資金がなくても、手間もかけずに、3000万円が作れるということをお話しました。しかし、そのためには、誰でも少額から購入できて長期投資向きのよい投資信託を選ばなくてはなりません。
著書『投資信託は、この8本から選びなさい。』で詳しく述べられている、資産づくりに向いた投資信託の「6つの条件」をごく簡単にご紹介したいと思います。
運用されている数多くの投資信託から
どうやって自分に合ったものを選ぶのか
私がセミナーや勉強会の場でお話をさせていただくと、必ずといって良いほど出てくる質問が「投資信託ってどうやって選べば良いのか分からない」ということです。
ここには、実は2つの意味が隠されているのではないかと、最近、私はよく思うようになりました。
ひとつは、投資信託という投資商品に初めて触れるという方の場合。ともかく何も分からないというケースです。投資信託を買うにはどこに行けば良いのか、株式とは何が違うのか、そもそも投資信託ってどういう商品なのか、というように、全く分からないから選びようがない、ということです。
もうひとつは、何となく投資信託のことは分かっているのだけれども、情報を集めていると、あまりにも種類が多すぎて、何をどう選んだら良いのかが皆目見当がつかないというケースです。
投資信託の基本については、誰でも多少「学ぶ」という意識を持てば、概略は見えてくるはずです。というのも、投資信託の基本的な商品性は、そんなに難しいものではないからです。
問題は後者のケースです。ある程度、投資信託について分かっているのに、運用されている投資信託の本数があまりにも多いため、何を選べば良いのか分からない。分からないから、銀行や証券会社などの販売金融機関の窓口に行って、つい「何かお勧めの投資信託はありませんか?」と質問してしまう。
そんなお客さんが来たら、販売金融機関の人たちは、もうカモがネギをしょってやってきたと思うに違いありません。結局、販売金融機関の担当者のいいなりになって、彼らが勝手に勧めてきた投資信託を買わされてしまう。
当然、そんな投資信託は長期投資向きなはずはありませんから、そのうち旬がすぎれば、運用成績が大きく下落したり、あるいは解約によって投資信託の規模が縮小し、繰上償還されてしまったりというように、いずれにしてもろくな結果に終わらないという憂き目に遭ってしまいます。
こうしてまた一人、投資信託に対して不信感を抱いてしまう投資家が増えてしまうのです。
では、良い投資信託とは、具体的にどういう投資信託を指しているのでしょうか。ここで、私が考える長期投資向きの「良い投資信託」の条件は、たった6つです。