
ダイヤモンド・ザイNISA投信グランプリ2025の「米国株部門」で最優秀賞を受賞した投資信託が「フィデリティ・米国優良株・ファンド」(フィデリティ投信)だ。直近5年(2020年~2024年)の上昇率は188%で、S&P500指数を上回る成績だ。上昇率だけでなく、下がりにくさも優秀なこの投資信託。好成績をマークし続ける理由を、日本におけるプロダクト担当者の高橋諒さんに聞いた。(市川森彦、ダイヤモンド・ザイ編集部)
NISAのつみたて投資枠でも買える!
27年の実績がある老舗投資信託
――今回、「フィデリティ・米国優良株・ファンド」は米国株部門で最優秀賞を受賞しました。まずこのファンドの特色や強みについて教えてください。

高橋 このファンドは、「徹底した企業調査に基づいた銘柄選択」を重視しています。金融政策やトランプ政権の関税策といった、正確に予測するのが非常に難しいマクロ経済の動きには依存しない方針です。マクロの動向は「当たり外れが大きくなりやすい」ため、それに頼らない運用をしています。
このファンドは、米国フィデリティ・インベスメンツの世界的なリサーチ力を結集したものです。一般的なファンドは特定の運用担当者が意思決定をすることが多いですが、当ファンドの場合、株式市場の11種類のセクターそれぞれに「セクターリーダー」と呼ばれる代表者を置いています。
運用チームは10名体制で、セクターリーダーは一部兼務のため9名、それをまとめるファンドの代表者が1名という構成です。それぞれのセクターの代表者が推奨する銘柄をファンドに組み入れます。そのため、各業種に精通した代表者の銘柄選びが直接的にファンドに反映されるのが強みです。
――NISAの「つみたて投資枠」の対象にもなっていますね。
高橋 この投資信託は1998年4月に設定されて以来、日本で27年もの実績があります。確定拠出年金の方も含めて、長期にわたって日本のお客様向けに提供されてきた数少ない米国株ファンドの一つです。そういった実績からも、長期の視点で持っていただける投資信託と言っていいと思います。
――ファンドの運用方針として「ボトムアップアプローチ」を採用しているとのことですが、具体的にどのようなものですか?
高橋 一般的な運用スタイルにはトップダウンとボトムアップの2種類がありますが、私たちは企業分析をベースとするボトムアップアプローチです。経済全体のマクロ予測を重視するよりも、個別企業の収益予測をし、それを積み上げていったほうが精緻な調査分析結果につながるだろうと考えているためです。
実際に企業を評価する際には、経営陣との面談から、その企業の工場訪問、さらに場合によっては取引先や競合他社、業界の専門家まで、幅広く詳細な調査分析を長期にわたり積み重ねています。フィデリティは、このボトムアップアプローチによる投資先企業の選別を一貫して継続してきた会社です。このファンドでもそれを活かした運用を行っています。
――ベンチマークであるS&P500を上回る運用成果を出し続けている理由は何でしょうか?