長期にわたって投資でき
大きく資産をふやせる
投資信託の条件はたった6つ!

 第一の条件は、「信託期限が無期限であること」です。

 かつての単位型に比べると、信託期限の長いものが増えましたが、まだ運用期間10年程度の投資信託が多いと思います。10年でも決して長期とはいえません。投資信託の本場である米国には、もう70年、80年という長期にわたって運用されている投資信託があり、今も人気を集めているくらいです。長期投資に適した投資信託というのは、信託期限が無期限のものになります。

 第二の条件は、分配金は再投資に回してくれるものです。

 これは行動経済学でもよく言われることですが、人間というのは、将来の大きな利益よりも、目先の小さな利益を重視しがちです。毎月分配型投資信託などは、まさにこの人間心理を上手く利用して、あそこまで大きくなったと言えます。つまり今の1万円が、将来、3万円、5万円というように大きく育つことよりも、毎月40円、50円という分配金を受け取れるということを重視してしまいがちなのです。

 しかし、これは長期的な資産形成を目的にした運用にとって、有害以外の何者でもありません。大事なことは、運用によって得られた収益をすべて再投資に回していくということです。再投資というのは、たとえば1万円を運用して、1年後に1万700円になったとしたら、利益に該当する700円を分配金としてもらうのではなく、すべて同一の投資対象に投資していくということです。これこそが元金が大きくなって複利の効果が得られるのです

 第三の条件は、購入時手数料がゼロで信託報酬率が低いことです。

 長期投資をするならば、コスト意識はしっかりと持つようにしましょう。

 まず、信託報酬は出来るだけ低いものを選びます。コストは低ければ低いほどいいのです。コストが高いからといってリターンも高くなる、という事はありえません。

 積立投資を前提にしているのであれば、購入時手数料がかかるかどうかも要チェックです。これは、購入時手数料がかからないノーロード型の投資信託を選ぶべきでしょう。毎月積み立てていくのに、その都度、手数料を取られていたら、運用効率は大きく低下してしまいます。

 同じ内容の投資信託であれば、運用会社の違いによって生じる運用実績の差など、たかが知れています。

 投資信託の運用実績は、たとえアクティブ型であったとしても、マーケットから受ける影響が大半であり、運用担当者の運用能力の差によって生じる運用実績の差は、ごくわずかです。

 信託報酬率などのコストは、投資信託会社のホームページを見ればすぐに分かりますから、ある程度、購入したい投資信託が絞り込まれてきたら、各種コストをチェックして、出来るだけ安いものを選ぶようにしたいものです。

 第四の条件は「運用資金が増え続けているもの」です。

 なぜなら、資金が流出状態にある投資信託は、さまざまな意味でリスクが高まるからです。

 資金がどんどん抜けていくと、運用難状態に陥ります。資金が流出しているということは、常にポートフォリオに組み入れられている株式や債券などの資産を売却して、解約資金を作らなければなりません。そうなると柔軟な運用ができないばかりか、長期投資家にとって避けるべき繰上償還(投資信託の運用停止)に追い込まれるリスクも生じてきてしまいます。