カーブスの営業時間は、平日10時から19時まで、土曜は13時までで、日曜祝日は休みである。一般のスポーツクラブとは逆に、休日は閉店である。あくまでも主婦がターゲットだからである。これは日本独自のシステムであり、こうした勤務体系は、従業員のワーク・ライフ・バランスを向上させる効果もある。

 また昼は、13時から15時まで休みである。今どきのサービス業で、昼に閉店しているのは他に医院くらいであろう。実際には、1時間の昼食休憩の後は、マシンのメンテナンスや従業員同志のミーティングが行われている。シフト制が当り前となった接客業の中で、全員が同時に情報を共有する仕組みが、カーブスの強みを支えている。

運動習慣のない人が口コミで入会
カーブスの独特なマーケティング

 カーブスのターゲットは、50歳代以上の主婦の中でも、「運動の必要性は感じているが、実際は運動していない人」であった。カーブスの現顧客の中で、過去5年以内に他のフィットネスクラブに在籍していた人は5%未満であり、ほとんどが運動をしていない人である。

 カーブスによる入会前調査では、「27%が全く運動していない」「51%がほとんど運動していない」で、両者を足すと8割弱が運動習慣のない人であった。さらに運動していた22%を対象に運動の中身を尋ねると、「8割以上が軽いウォーキング」と回答している。すなわちカーブスの顧客は、スポーツを趣味としている層とは、全く違っているのである。

 ちなみに、フィットネスクラブ未経験者を対象とした調査(2004年、リンク総研)では、フィットネスクラブに行かない理由の1位は「価格が高い」(59%)、2位は「通う時間がない」(31%)、3位は「近隣にない」(28%)であった。

 カーブス入会のきっかけの調査では、紹介が52%と半数を占め、以下チラシ(19%)、看板(11%)、テレビCM(4%)となっている。しかしチラシ、テレビCMの入会者の8割は会員からカーブスの話を聞いており、口コミが圧倒的な力を持っていることがわかる。

 ちなみに、カーブスが「教室」と名付けている理由は、「クラブ」「ジム」ではなく、それまで運動習慣がなかった人にとって、受け入れやすいためである。

 運動していない人にカーブスに入ってもらうには、どうしたらいいか。伝統的なマーケティング理論には「AIDMA」と呼ばれる、消費者がある商品を知って購入に至るまでのプロセスを示したモデルがある。注意(Attention)→興味(Interest)→欲求(Desire)→記憶(Memory)→購買行動(Action)という順で消費者は動くと言われてきた。しかし、カーブスのターゲット顧客に広告をいくら打っても、入会行動には結びつかなかった。