カーブス入会へと背中を押してくれたのは、口コミであった。それもたった1回の口コミで加入する人は稀であり、平均で4~5回、半年くらい口コミを受け続けることによって、加入の気持ちが固まるのである。すなわちカーブスの顧客は、加入するまでに相当の時間がかかっていることが特徴である。

「名前で呼ぶ」「電話をかける」
幽霊会員をつくらない仕組み

 カーブスの教室では、コーチは顧客をすべて下の名前で呼ぶ。1教室当たり500名ほどの会員がいるが、顔を見ただけで名前と身体の症状などを覚えている。日本ではサービス業と言えども、下の名前で呼ばれることは珍しい(米国では、親しい間柄でファーストネームで呼ぶ習慣はあるが)。

 日本では、家庭の主婦は長い間、「××さんの奥さん」「××君のお母さん」と呼ばれてきて、自分の名前を直接呼ばれたことがない。50歳を越えた主婦は子どもの世話も一段落し、やっと自分を取り戻せる年代とも言える。そのようなときに、顔と名前を覚えてもらい、毎回呼びかけてくれるカーブスでは、「大切にされている感」を強く得ることができる(大型フィットネスクラブと違い、規模的に1店舗500名程度なので、覚えられるという側面もある)。

 さらに、カーブスでは1週間行かないと、コーチから電話がかかる。従来のフィットネスクラブでは、休眠会員や入浴だけの会員がいるために、トレーニングスペースが混まず、会員の不満も出なかった。すなわち、会費だけ払って来ない客は、大歓迎だったのである。しかしカーブスでは、期間が空くと来室を促す。何故だろうか。

 1つは、カーブスの企業理念である運動習慣をつけるためには、運動をきちんと生活習慣の中に取り込んでいくことが大事だからである。会員の健康維持が、カーブスの使命であり、そのためトレーニングの継続を奨めているのである。

 一方企業サイドからは、継続的に運動をすることによって、退会を防げるという効果も期待できる。

 現在1791店あるカーブスの店舗のうち、1735店舗がフランチャイズ店である。複数店舗を運営しているフランチャイジーが少なくない。フランチャイジーが儲からなければ、カーブスはここまで出店できなかったはずであるが、何故フランチャイジーは利益を出せるのであろうか。