ネガティブワードは宝の山
3大ワードから仕事のムダを発見する

 日常のちょっとした会話や、会議での発言の中にもムダを発見するチャンスは転がっています。これを見逃していてはもったいない! 次の3つは、私が「ネガティブ発見3大ワード」と呼んでいるキーワードです。

ネガティブ発見3大ワード

(1)「わざわざ」
(2)「いちいち」
(3)「毎度毎度」

●「基幹システム(SAPなど)に登録するためのデータを、『わざわざ』集計して、『毎週』(毎度毎度)インプットしているんですよ」
→集計しなくて済む方法はないか?「毎週」ではなく「毎月」に頻度を減らせないか? 次期システムは、ムダな作業を発生させないようにできないものか?

●「会議の『たび』(毎度毎度)板書内容を『いちいち』タイピングした上で、パワーポイントの資料に起こしています」
→すべての会議に必要? 板書内容をカメラで撮影するだけでもいいのでは? 資料起こしは外注できないか?

●「専用帳票を、『いちいち』倉庫に取りに行くのが地味に面倒」
→倉庫に行く別の用事と兼ねられないか? 取りに行く頻度を減らせないか? 専用帳票でなければダメなの? そもそも紙ベースの運用をやめませんか?

 ネガティブな形容詞がつく仕事や工程に、改善の余地が潜んでいます。言い換えれば、ネガティブワードはムダに気づくための宝の山なのです。

 なお、生産性を向上させるには「減らす」と「増やす」が必要だと書きましたが、ネガティブな仕事を「減らし」た後は、ポジティブな仕事をぜひ「増やす」ようにしてください。ポジティブな仕事の増やし方については第11回でご紹介しますが、詳しくは新刊『チームの生産性をあげる。』をご覧ください。

(この原稿は書籍『チームの生産性をあげる。――業務改善士が教える68の具体策』から一部を抜粋・加筆して掲載しています)