保育園や幼稚園の保護者会や小・中学校のPTA、町内会などの自治体役員などは積極的に参加する人が少ない“面倒な役割”だ。だが、こうした活動に積極的に参加したり、熱心に活動する男性もいる。彼らの本音を聞いてみた。(フリーライター 有山千春)
SNSの普及により、匿名で意見共有がしやすくなった昨今、今年のはじめにPTA不要論を訴える「#PTAやめたの私だ」というハッシュタグが話題となった。さらに4月以降には、入園・入学時期の風物詩なのだろう、“いかにPTAや父母会が面倒か”という特集が様々なメディアを賑わせた。
時間を取られ、煩わしい人間関係もあり、その上ボランティア……比較的時間に余裕がありそうな専業主婦でさえ、面倒くさいこと極まりない役割だ。
にもかかわらず“リーダー”を積極的に買って出る男性がいる。彼らはなぜ、あえて面倒な役割を引き受けるのか。保育園の父母の会会長から、自治体リーダーにまで人選を広げ、話を聞いた。
ジャンケンに負けた妻の代わりに
保育園の父母会会長に
「妻がジャンケンで負けたんです」――。
昨年度1年間、区立保育園の父母の会会長を務めたAさんは、ため息混じりにそう言った。園には「在園中、1度は役員になるべし」という暗黙のルールがあるといい、まだ役員経験のないAさんの妻は、一昨年度末の保護者会での役員決めで、“役員射程圏内”にいた。