

――ところで、あなたはハッカーたちの生態を研究しているが、彼らはどれだけオープンに話をしてくれるのか。どうやって調査をしているのか。
私は2008年からこの分野の研究をしているが、長期間にわたって彼らの周辺にいることは助けになっている。私が回りにいても嫌がらずにいてくれるハッカーもいるし、いろいろ話をしてくれるハッカーもいる。私が書いたものを読んだり講演を聞きに来て、後でコメントをくれたりもする。フォーラムでDDoS攻撃の計画が行われているような時には、私もそこにいることが多い。
他方、私が回りにいると、安全上問題があると感じるハッカーもいる。それは私も同じで、違法的なハッカー行為の計画が行われるところからは、遠ざかるようにしている。私は学者なので、ジャーナリストが情報源を秘匿するような防衛ができないからだ。
――今後、アノニマスの活動はどう展開されていくと見ているか。
予測は難しい。アノニマスを内側から研究してきた私ですら、彼らがここ数年やってきたことに驚いているような状況だ。
ただ、ヒントはある。政治的な活動が拡大して社会的な動きになった時に、いかにしてハッカーを組織化していくのか、あるいはしないかという点だ。繰り返すが、アノニマスの信条はこれまで、その時々のオペレーションにおけるアドホックな対応だった。果たしてその信条が変わるのか、変わらないのか、それがアノニマスの将来を占う上での重要なポイントであるように思う。