◇冒険しない人は後悔するだけ

 何かに挑戦をしない人は、失敗もしない。逆に言えば、挑戦をするからこそ失敗もする。よく言われることだが、失敗はけっして悪いことではない。それは挑戦をした証であり、成功のための一歩だ。こうしたことはよく言われすぎていて、「そんなことはあらためて言われなくてもわかっているよ」と誰もが口をそろえるかもしれない。しかし、実際にその大切さを噛みしめ、実践できている人がどれほどいるだろうか。

 大きな目標の前に、小さな失敗などまったく痛くもかゆくもない。日本代表の目標は、「世界トップ10に入り、3年後のW杯で勝つこと」だった。だからそれまでの3年間ではたくさん敗戦したし、マスコミなどから批判されることも多かった。しかしそれはあくまで準備段階であり、本番に向けてチャレンジした結果であった。

 ビジネスでも世界的に成功している人の多くは、それまでにたくさん失敗をくりかえしている。もし彼らが失敗するリスクを負わなかったら、失敗することもなければ大きな成功をおさめることもなかっただろう。

 もし何をすればよいかわかっているのに行動できないのなら、それは勇気がないからだ。今までと違うことをするにはリスクが伴う。しかし、次のステップへ進むために、冒険は絶対に必要なことである。勇気をもって未知の世界へ飛びこんでみよう。そうすることでしか、今までの自分とは違う自分になることはできない。

一読のすすめ

 ラグビーのことを扱った本でありながら、本書にはビジネスにも精通する考え方がおどろくほど登場する。ゴールドマン・サックス証券株式会社社長である持田昌典氏が絶賛するわけである(同氏は巻末に解説も寄せている)。ここ一番でがんばりたい方や、ビジネスでの成功をおさめたい方に、ぜひお薦めしたい一冊だ。

評点(5点満点)

著者情報

エディー・ジョーンズ(Eddie Jones)

 1960年、オーストラリア、タスマニア州バーニー生まれ。オーストラリア人の父と、日系アメリカ人の母の間に生まれる。1990年代初頭まで、当時オーストラリアの最有力州チームだったニューサウスウェールズ州の代表として活躍、その後引退し、コーチに転身する。2003年、オーストラリアの代表監督としてW杯準優勝、2007年、南アフリカのテクニカルアドバイザーとしてW杯優勝。2009年、サントリーのゼネラルマネージャーに就任。2010年度より監督も兼任し、日本選手権優勝。2012年、日本代表ヘッドコーチに就任。2015年のW杯では、世界的な強豪南アフリカ代表に歴史的な勝利をおさめ、ラグビーファンだけでなく日本中の注目を集めた。現イングランドの代表監督。

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