投資信託のメリット、デメリット
投資信託のメリット、デメリットを以下のようにまとめてみました。
投資信託は、とても手軽な投資商品なので、少しでも多くの方に使ってみていただきたいところなのですが、大きな問題がいくつかあります。まず、どこでどのような投資信託が販売されているのか、よく分からないこと、そして種類が多すぎることです。
銀行や証券会社などの金融機関の窓口に行けば、誰でも投資信託を買うことはできます。問題は、Aの投資信託が欲しくても、A銀行、もしくはC証券だけしか取扱いがないなど、ほしいと思った商品がどこでも買えるわけではないことです。さらに、窓口なのか、ネットなのかによって手数料も違ってきます。
また偶然行った、銀行窓口では「投資信託ですが、今はこんなものが人気です」と、お勧めされることも多いと思いますが、そこで取り扱われている投資信託が、皆さんの長期的な資産形成に資するに足るものが少ないのが現実です。
問題点の2つ目ですが、日本の投資信託は、短命なことで知られています。短命というのは、運用が開始されてから償還(運用終了)までの期間が非常に短いのです。平均でおおむね6年弱と言われています。
せっかく購入した投資信託なのに、6年もしないうちに償還されてしまったら、10年、20年という期間で運用して、大きくお金を育てたいと考えていた人は、どうすれば良いのでしょうか。再び同じような商品特性を持った投資信託を探して、買い直さなければなりませんが、それは非常に手間がかかりますし、面倒だと思います。
実は、投資信託は最初に購入する時がとても肝心で、特に若い人たちにとっては、それこそ自分が生涯付き合っていける投資信託に出会えるかどうかが、その後の資産形成を大きく左右するといっても良いでしょう。だからといって、身構える必要はありません。投資信託の基本的なしくみと、どのように選んだらよいのかという知識を身に付ければいいのです。
中野晴啓(なかの・はるひろ)
セゾン投信代表取締役社長
大学卒業後、現クレディセゾン入社。2006年セゾン投信を設立、07年4月より現職。現在、口座開設数12万人超、預かり資産1800億円を突破。著書に『最新版! 投資信託はこの9本から選びなさい』『投資信託はこうして買いなさい』(共にダイヤモンド社)、『退職金バカ 50歳から資産を殖やす人、沈む人』(講談社+α新書)他多数。