ヤマト問題で注目!「宅配ボックス」の進化がスゴい

新築マンションなら、もはや標準装備の宅配ボックス。あなたは一体どのようなものを想像するだろうか?配達員がダイヤルで暗証番号を決め、記入した番号を伝票に書き込んでポストに入れるといったタイプだとしたら認識を改めなければならない。宅配ボックスは大きく進化している。比較して言うなら、ダイヤル付きの黒電話からスマホへの進化以上の変身を遂げようとしている、といえるだろう。今回はこの宅配ボックスの誕生から未来像までをご紹介しよう。

インターネットショッピングの興隆で
宅配ボックスは今や飽和状態

 宅配ボックスを発明したのは、分譲マンション型宅配ボックスでシェア60%以上を誇るトップメーカー「(株)フルタイムシステム」社長の原幸一郎氏だ。原氏は発明当時、マンション管理会社を経営していた。

 宅配ボックスの発明は、管理人室で預かった荷物の紛失トラブルに悩んだ末の発想だったそうだ。昭和58年のことである(フルタイムシステム社ウェブサイトより)。とはいえ、平成12年以前は一般のマンションに設置されることは少なかった。

 ところがそれ以降、状況は激変した。宅配会社の取扱量はアマゾンなどのインターネットショッピングの興隆とともに爆発的に増大し、もはや飽和状態となりドライバーの過重労働をはじめとする問題を生み出すに至っている。宅配ボックスは、ドライバーにとって再配達の手間がなくなる便利なシステムだが、個人宅や既存のマンションではほとんど設置されていない。設置されていても数が限られているので、宅配業者同士で早い者勝ちの奪い合いになってしまう。

 さすがに、全戸数分を用意することは無駄だが、少なすぎても役立たない。以前は世帯数に対し適切な設置数は15%と言われていたが、現在は快適に使うには20%の確保が必要だと言われている。これからマンションを購入する人は、カタログにある設置の有無だけで判断するのではなく、総戸数に対してのボックス数やどのようなタイプの宅配ボックスなのかを確かめることをお勧めしたい。