広さ、間取り、エリア、価格——条件に合った物件が見つかっても、本当に買ってよいか迷うのが普通。そこで、いい物件かどうか目利きするポイントを不動産コンサルタントで、さくら事務所代表の長嶋修氏に聞いてみた。
■ポイント 1
すべてにおいて満点の物件はない
さくら事務所代表 長嶋 修氏
「すべてにおいて満点の物件はない。どの部分に力を入れているか、それが物件ごとの個性」と長嶋氏は言う。
不動産には、エリアごとの相場がある。住宅性能は年々、進化しているとはいえ、世の水準より優れた仕様にすれば、そのぶんコストも跳ね上がる。相場なみの価格に抑えるためには、100点を狙わない部分も出てこざるを得ない。
「複数の物件を見比べれば、広さではこちらが上、耐震性ではこちらが上、と、それぞれに強み弱みがあるはず。後で後悔しないよう、自分にとって欠かせないポイントは何か、きちんと優先順位を決めておくことが大切」(長嶋氏)
長嶋氏によれば、「耐震・省エネ性」「可変性」「メンテナンス性」の3つは、最近、ディベロッパーが力を入れているポイントだという。これら3つにコストをかけた分、居住面積はやや狭めとか、駅からやや遠め、といったマイナスポイントが出てくるわけだ。
「立地などよりも、とにかく広さ優先」とか、「子どもが独立したあとリフォームできるよう、可変性が最優先」といった優先順位のつけ方だけでなく、もちろん、「どの項目もそれなり」というバランス重視でもいい。