「子どもの貧困」の暗闇に地方議員は灯りをともすことができるか?11月に開催される、公的扶助研究全国セミナー・岩手大会の案内。イラストは、コミック作品『健康で文化的な最低限度の生活』作者・柏木ハルコ氏による 拡大画像表示

 田川さんは議員たちに対し、多くの自治体で、生活保護ケースワーカーが福祉専門職として定着できる体制となっていないことを指摘した。福祉専門職としての訓練を受けていない職員を、福祉事務所に配属して生活保護ケースワーカー業務に就かせ、おおむね3年程度で他の職場に異動させることを繰り返している自治体は少なくない。このような職場では、正確な知識に基づく経験が職場に蓄積されにくい。誤解したままの先輩が指導し、おかしなローカルルールがはびこる場合もある。

「でも、公的扶助研究会の全国セミナーのような機会に『まともな生活保護』を勉強すると、『うちは間違っていた』と気づくことができるんです。皆さんの自治体で、ぜひ『行政派遣』をすすめてください」(田川さん)

見えない貧困に目を凝らし
小さな努力を続ける地方議員を

 愛着を持っている「わが地域」が誇れる地域であってほしいという思いは、誰もが持っているだろう。今、「わが地域」に深刻な貧困があってイメージが良好でないとしたら、近い将来にどうなってほしいだろうか。強引な政治的手法によって貧困層が存在できない地域にすることは、「わが地域」のイメージを刷新するための数多くの選択肢の1つにすぎない。

「子どもの貧困」の暗闇に地方議員は灯りをともすことができるか?本連載の著者・みわよしこさんの書籍『生活保護リアル』(日本評論社)好評発売中

 見れども見えない貧困に目を凝らし、最も発言力のない幼い子どもたちを最優先に、倦まず弛まず小さな努力を続ける前向きな地域もまた、胸を張って誇れる地域ではないだろうか。

 御地の地方議会を、そういう地域づくりのために力を注ぐ議会にするための第一歩は、あなたが日常的に議会や議員に向ける関心と、あなたの投票から始められる。今日これから、関心を向け始めよう。きっと、遅すぎることはない。

(フリーランス・ライター みわよしこ)

【参考】

生活保護問題対策全国会議:第9回生活保護問題議員研修会「貧困対策は何処に向かうのか長野で生活保護を考える」

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全国公的扶助研究会

第50回 公的扶助研究全国セミナー岩手大会 開催要項