先週の総括

 先週の日経平均は、前週末の米国雇用統計の失業率が悪化したことを契機に、大きく調整した。

 2008年12月の米国雇用統計は、失業率が7.2%と前月比0.4ポイント上昇し、非農業部門の雇用者数も50万人以上の減少となった。その後も米商務省が発表した昨年12月の小売売上高が前月比で減少したことも嫌気された。

 米国の消費動向は世界全体の需要動向を予測するうえで重要な指標であるため、そのショックも大きかったようだ。

 日本でも機械受注統計が発表されたが、船舶・電力を除く民需(季節調整済)が前月比マイナス16.2%と大幅な減少となった。為替も1ドル=89円台で推移するなど円高が進んだことから、週末には小反発したものの、結局前週末比6.9%下落の8230円で取引を終えた。

 規模別には大型株の下落が大きかった。マザーズ指数は前週末比0.1%の下落にとどまった。業種別に見ると、電力・ガス、空運、鉱業のみ前週末比で上昇し、不動産、証券、非鉄が大幅に下落した。

今週の予報

産業エレクトロニクス業界:
10月以降の急激な販売悪化は業績に織り込まれておらず、「晴」→「曇」

晴 曇

 今週の日経平均は、もみ合いから弱含みを予想する。昨年12月初めから経済統計の悪い数字に株価が反応しなくなっており、底堅さを感じていたが、先週の反応は改めて上値の重さを感じさせられた。

 日経平均9000円レベルでは、予想PERが17倍を越える。先進国の代表指数の予想PERは10倍前後に収斂しており、日本株だけが突出して割高に買われることは、困難だろう。

 メディアなどにも、日本を代表する企業の業績下方修正の観測記事が出始めた。会社側は現時点では否定するものの、足元の経済状況を勘案すると、中間決算時の予想数字を維持することは不可能に近い。今後発表が始まる第3四半期決算の動向を注視したい。

 昨年10~11月から、企業の減産スピードが加速している。鉱工業生産指数をみると、10月は前月比マイナス3.1%、11月は同マイナス8.1%と、大幅な減少を記録した。12月の予測指数も前月比マイナス8.0%であり、減産が緩む兆しも見えない状況だ。