企業にもそれぞれルーツがある。衝突被害軽減自動ブレーキの「アイサイト」搭載による安全性と優れた走行性能を「売り物」にして、国内外に「スバリスト」と呼ばれる根強いファンを持つスバルは大正時代に創業した中島飛行機を源流とする。当時の航空機への設計思想が、現在のクルマづくりにも生かされているという。(モータージャーナリスト 鈴木ケンイチ)
スバルは自らの製品の価値は「安心と愉しさ」と説明する。確かに、スバル車は衝突被害軽減自動ブレーキの「アイサイト」を筆頭に、安全性能の高さが特徴だ。スバル車に乗る=安心を手に入れるというのは、あながち間違った認識ではない。
また、運動性能へのこだわりもスバルは強い。高性能なスポーティカーだけでなく、ファミリー向けのクルマでも、しっかりと走るような作り込みがなされている。これが運転する「愉しみ」につながる。スバルが主張するように「安心と愉しさ」は、スバル車の特徴と言っていいだろう。
では、その「安心と愉しさ」はどこから来たのか?
ルーツは
大正時代創業の中島飛行機
そのルーツ探しで興味深い話を耳にした。「そのルーツは、大正時代の中島飛行機にあるのでは…」というのだ。聞けたのは、スバルが10月中旬に開催したメディア向けの取材会「テックツアー」にて、スバルの航空宇宙カンパニーのバイスプレジデントである若井洋氏からであった。
「スバルのブラントバリューである“安心と愉しさ”。そのルーツ探しを、ここ数年やっておりまして、それに該当するのが中島飛行機にあるのではないかと話しています」と若井氏。