複業ができるのかどうかは
「作業にかかる時間」の把握がポイント

 複業ができる人は、2つの「時間」意識ができている人です。

 まずは「自分が何かの作業をする時にどれだけの時間がかかるのか」を知っているかどうかが分かれ道になります。

 意外とこれを理解していない人は多いものです。皆さんも、自分のドキュメント作成能力のスピードを把握しておらず、締め切りギリギリになってしまった経験はありませんか? 反対に、時間的なリスクを考えすぎてしまって、作業時間を異常に長く設定してしまうのも、他の仕事をする機会を失いかねません。

 私の場合は、複業の中心がプレゼンテーションの作成・実施、この連載のような執筆活動、スタートアップ界隈の方々のメンタリングの3つに分かれていて、それぞれ以下のようにかかる時間を把握しています。

 プレゼンテーションの作成は、以前話したことのある内容であれば準備時間はほとんど必要なく、30分程度の確認・アップデート時間があれば十分です。完全に新規で作る場合、ボリュームやテーマにもよって若干の違いはありますが、60~90分程度のプレゼンテーションであれば、実際のスライド作成時間は3時間程度です(ただし、隙間時間にずっと脳内で構想を練ることができている場合ですが)。

 執筆の場合、これも脳内構想が固まっていれば、文字に落とすのは4000文字で大体2~3時間です(この原稿も4000文字程度です)。

 メンタリングなどなら、その場で必要な情報にアクセスをしながら実施するので、その前に準備時間を割くことはありません。

 このように、自分がどれくらいでアウトプットできる状態になるのかを知っておくと、時間の割り当てを考えるのがとても楽になります。「来週イベントがあるから、この日のこの時間帯を2時間ブロックしておけば十分だな」とか計算できると、自分の本業のボリュームと照らし合わせて複業の量をコントロールできます。

 かかる時間を把握していないと、期日までに完成しなかったり、急なスケジュール変更が必要になった場合に対応できなかったりします。そういうことが続くと、ビジネスにおいて最重要リソースである「信頼」を失うことになります。

 一度信頼を失ってしまうと、残念ながら複業をするのは極めて難しくなります。本業の信頼回復をしなくてはなりませんし、本業以外の方からは「やっぱ片手間なんだな」と思われて仕事のオファーが来なくなります。いかにして信頼を落とさずに複業を続けるかは、自分の処理スピードを正確に把握しておくことにかかっています。