今回は「女子力」と社会貢献の話。当連載ではこれまでも、ミス・キャンパスから女性社会起業家まで、女性が生み出すさまざまな新しい社会貢献のカタチをお伝えしてきた。いまどきは女子パワーの方が強いので、社会貢献業界も女性の活躍が目覚ましい。訴求力のある新しいアイデア、コンセプトを生み出し、社会貢献の世界を明るく華やかに変えていっているのも女性だ。今回はそんな女性たちの中から、将来有望な若き女性社会起業家と、新しいトレンドの芽生えをご紹介する。

幼い頃から社会問題に関心。
インパクトある方法で問題解決を

佐野里佳子さん(25歳)。「ファッション・ビジネス」と「社会問題」をつなぎ、いままでにない商品コンセプトで、新たな問題解決のスタイルをめざしている。

 佐野里佳子さん。25歳。神戸で生まれた後、父親の仕事の関係でジャカルタへ。97年に起きたクーデターにより強制帰国(その後、再度インドネシアに渡る)。この時、クーデターを目の当たりにしたことで、世の中のさまざまなギャップを無くしたいと考えるようになったという。まだ小学生の時だ。

 この世代の女性は社会意識の芽生えが早い。以前、第3回で紹介したミス・キャンパスの社会貢献団体「Sweet Smile」を設立した山崎ひな子さんがアフリカの飢餓をなんとかしたいと感じたのが幼稚園の時だったが、このように幼い頃から社会意識を持ち続け、自分の生き方を決めていっているのもこの世代の特徴だ。

 佐野さんの場合は、高校生の時から国際的な人権団体である「アムネスティ・インターナショナル」の活動に参加。さらに数十ヵ国の高校生が参加して国を代表して世界的な社会問題について議論する「Future World Leaders Summit」、さまざまな国際問題についての理解を深め国際社会に貢献できる人材の育成・輩出を目的とした「模擬国連」にも参加。日本に逃れてきた難民支援の活動なども行なってきた。

 しかし、このような活動を7年間続けて限界を感じたという。既存のやり方では社会貢献に関心のある人しか巻き込めない。社会貢献に関心のない人たちに関心を持ってもらえるようにしなければ活動も拡大しない。もっと多くの人たちの関心を喚起するにはどうすればよいのか。そこで佐野さんが選んだテーマがファッションである。ご両親がモデルをしていたこともあり、幼い頃からファッションへの関心も高かったという。ファッション業界の人たちとの交流もあった。佐野さんにとって身近な存在であったファッションを社会貢献に結びつけることで、より大きなインパクトを日本の社会に与えることができると考えた。

 SFCに進学した佐野さんは、高校時代の活動の限界を超えるために、難民支援につながるファッション・ブランドを作ることを決意する。そして大学卒業後、大手コンサルティング会社に就職。それは、さまざまな企業の戦略やビジネスモデルの構築に携わることで、将来ファッション・ブランドを立ち上げるために必要なビジネス・スキルを身に付けるためだ。

 そして約1年後。佐野さんはファッション・ビジネスをより専門的に学ぶために人気セレクトショップを運営するアパレル企業に転職する。ここでは、ソーシャルなミッションを持つ海外ブランドへのバイイング業務に携わった。こうしてファッションの現場で約1年間働いた後、独立。仲間とともに「OVER THE RAINBOW」というブランドを立ち上げる。