東京オリンピック開催の2020年に向け、政府は「訪日外国人観光客の増加(4000万人)」など国際化に関する目標をさまざま掲げている。外国人との関わりも増えていく中、グローバル感覚に反して顰蹙をかわないよう、心掛けるべき言動はどのようなものだろうか。(取材・文/むらたえりか、編集協力/プレスラボ)
2017年10月、三菱UFJモルガン・スタンレー証券に勤めるカナダ人男性が、職場で育児休業の取得を理由に仕事を減らされたとして、地位保全や賃金の仮払いを求める仮処分を東京地裁に申し立てた。カナダ人男性は「育児休業を取った社員は"仕事で使えない"という偏った考え方があった」と主張しているという。
この裁判は、日本人の“常識”が、外国人にとっては“非常識”なもので、通用しないケースとして注目されている。
日本の法務省入国管理局は「平成28年末現在における在留外国人数について(確定値)」を2017年3月に発表。この資料によると、日本に中長期に在留または永住している外国人(外国籍を有する人)の数は238万2822人。前年末に比べて15万633人の増加で、これは過去最高の人数である。
グローバル社会として変化し続ける日本において「日本の常識」「偏った考え」が通用しない場面が出てくる。これから紹介する「外国人に顰蹙をかってしまった日本人のエピソード」を参考に、自分は日本の常識に凝り固まっていないか、考えるきっかけにしてみてほしい。
先輩後輩、男性女性…
目に見えないルールに戸惑う
近年、「海外の人に接する機会が増えた」「外国語ができないと給料が上がらない」といった悩みをよく耳にする。どんな仕事でも、これからは外国人と関わらずに働いていくことが難しくなる。まずは、日本人と働いて困ったことについて、外国人に聞いてみた。