社内に必ず1人はいる「指示待ち人間」。彼らに対して「何でもかんでも質問してくるな!」「臨機応変に行動しろ!」と叱責する上司は多いかもしれないが、現実はそう簡単ではない。そこでカウンセリングサービス所属の心理カウンセラー・山田耕治氏に、あえて「指示待ち人間のまま生き残る術」を聞いてみた。(清談社 岡田光雄)

上司に呆れられ
“使えない人間”扱い

 ビジネス系の指南書ですら、長々とした改善要求が綴られるなど、ネガティブなイメージを持たれやすい「指示待ち人間」。一般的に挙げられる指示待ち人間のイメージはだいたいこうだ。

・自分の頭で考えることが苦手で、何かあればすぐ上司に「どうしましょうか?」と丸投げの質問する
・当事者意識が低く自分の役割がわかっていないため、自発的に行動できない
・「AとBどっちにするのか」などを決断できず優柔不断である
・自分の意見を言わず、会議や打ち合わせなどでの発言が皆無
・周りが忙しそうにしていても、ボーッとただ突っ立っている
・気が利かず、上司や先輩が雑用をしていても「私がやります」の一言がない
・決められたルールの中でしか動けず、不測の事態が起きても臨機応変な対応ができない

「指示待ち人間」の烙印に苦しむ人増加中、生き残りの方策は職場で「使えない人間」とのレッテルを貼られて辛い思いをした結果、何らかの精神疾患を発症してしまう人も多い。何とかしようと自分を追いつめるのは逆効果。指示待ちタイプは、どうすれば生き残れるのだろうか?

 そして、こういった指示待ち人間のイメージは、いわゆる“ゆとり世代”への偏見にもつながりやすい傾向がある。

 ゆとり世代とは、2002年度の学習指導要領改訂(11年度に再改訂)に伴い、小・中学校で「ゆとり教育」を施された世代のこと。1987~96年生に生まれた、今の21歳から30歳くらいまでを指す。社内で指示待ち人間のレッテルを貼られてしまった結果、そのストレスが原因で何らかの精神疾患を発症してしまう人も多いという。