窮地の時に
銀行から借入れはできない
多くの社長は、現実的に借金せざるを得ないとしても、借入額を少しでも減らすことが正しいと思っている。
しかし、その発想は会社経営にとって“命取り”です。
無借金にこだわれば、社長の意思で自由に動かせるキャッシュの量が増えません。
キャッシュが少ないと、本書冒頭に挙げた株式会社モリチュウ(社員数28名)のように、いざというときに社員を救ったり、設備投資やM&Aをしたりするときにお金を使えません。
お金を使わざるを得ない事情ができたら、そこで改めて銀行に融資を頼めばいい?
それは極めて「甘い考え」です。
「社員が海外で倒れた。飛行機をチャーターしたいから融資してほしい」
と頼んでOKしてくれる銀行なんてひとつもない。
断言してもいい。絶対に無理です。
自己資本比率の向上ばかりにこだわって社員を路頭に迷わせてはいけません。
700社以上を診てくると、残念ながら、100人中99人が陥る「アリ地獄」があります。これは面白いほど共通しています。
ぜひ、第1回連載にある、ひとつでも当てはまったら危ない!【あなたの「会社の危険度」10のチェックリスト】をチェックしながら、『数字は人格』を体細胞に植えつけていただけたらと思います。