タイでトップになった「ヤクルト」の営業力

 それではまず、タイの結果を見ていきましょう。日本企業だけでみると、2位の「セブン−イレブン」(好感度83.4%)、3位の「ソニー」(同82.3%)の大手企業を引き離して、トップとなったのが「ヤクルト」(同88.7%)です。

 実はヤクルト(ヤクルト本社)の海外進出は古く、1964年の台湾からスタートしています。「ヤクルトレディ」と呼ばれる、女性の訪問販売を主体としたビジネスモデルを展開し、今では世界38の国と地域にまで広げています。

 実際、タイでは「サーオヤクルト」と呼ぶヤクルトレディ約3000人がオフィス街を中心に回り、顧客と日々コミュニケーションしています。価格も1本5バーツ(約15円)と値ごろで、タイではヤクルトを毎日飲む習慣が定着しています。タイに進出したのは1971年のことで、実に半世紀に渡る地道な活動が今回の結果につながったといえるでしょう。

 また、10位の大手コンビニエンスストア「ファミリーマート」(同76.6%)を上回ったのが、9位の100円均一ショップ大手「ダイソー」(同78.0%)です。タイへの本格展開は2003年からと、相対的に新興組ながら、すでに100店舗以上に拡大してタイの国民に浸透しる様子がうかがえます。

 タイでのダイソーの基本価格は60バーツ(約200円)であり、日本のように「安いアイデア商品を買えるお店」というイメージではありません。むしろ、日本の「PLAZA」や「ヴィレッジヴァンガード」に近く、「日本の雑貨を買えるオシャレなお店」という印象があります。高級感のあるブランドを築けたことが好感度を上げた要因と見られます。

インドネシアとベトナムは「ヤマハ」が首位

 ベトナムとインドネシアでトップになったのが二輪自動車の「ヤマハ(発動機)」で、2位が「ホンダ」となりました。いずれも好感度が90%を超えて、両国民にかなり親しまれていることが分かります。

 ヤマハとホンダという二輪自動車メーカーが「トヨタ」や「日産」などの四輪自動車メーカーより上位に来た背景には、両国とも「バイク大国」であることがあります。タイと比べても、まだまだ移動手段の中心は自動車ではなくオートバイのために2社のブランド力が強いのです。

 一方、インドネシアで好感度9位(同85.6%)、タイでも11位(同71.5%)にランクインしたのがスマートフォンアプリの「LINE(ライン)」です。2011年にリリースしたアプリながら、現地では広く利用されています。台湾を含むタイ、インドネシアの主要3ヵ国では月間利用者数(MAU)約9700万人と、日本の約7100万人を上回っているほどです(2017年9月末時点)。

 DIマーケティングの沼田和敏CRO(チーフ・レベニュー・オフィサー)は、「好感度とは、その企業がその国にいかに時間をかけて、いかに投資をしてきたかを表す一つの指標だ」と話します。そのため、「老舗のグローバル企業が上位を占めるのは当然の結果だが、ダイソーやLINEといった比較的新興の企業が上位に食い込んだのが意外であり、今後進出を考える企業のヒントになるかもしれない」と話します。