最近、トヨタ自動車や日産自動車によるスポーツ車仕様の新サブブランドが話題となっている。日産は11月下旬に新サブブランド「オーテック」を展開すると発表した。このオーテック、日産は“新ブランド”と称しているものの、実は既存のサブブランド「NISMO(ニスモ)」と同じくらい長い歴史と物語を持っている。(ジャーナリスト 井元康一郎)
日産の“新サブブランド”
オーテックの狙い
市販車に手を加えて性能を上げたりデザイン性を高めたモデルを作り、それにサブネームをつけて販売する“サブブランド戦略”がこのところちょっとした活気を見せている。トヨタが秋に「G's」あらため「GR」ブランドの展開を発表したのに続き、11月24日、今度は日産自動車が新たなサブブランドを展開すると発表した。
新サブブランド名は「オーテック」。クルマの企画・製作はオーテックジャパンによって行われる。これまでも日産のカスタマイズカー、福祉車両、特装車などを手がけてきた子会社である。
オーテックブランドの狙いは何か。オーテックジャパンの片桐隆夫社長は、
「オーテックをプレミアムスポーティブランドにしたい。オーテックジャパンには(カスタマイズカー製造など少量生産を手がけてきたことによる)匠の技がある。性能の良さだけでなく、クラフトマンシップによる内外装の仕立ての良さを併せ持つモデルにする。また、内装について複数の色や素材から顧客がいろいろと選択できるプログラムの採用も検討している。パーソナライゼーション(特注性)でプレミアムスポーティの奥行きを広げて行きたい」
と、ブランドの将来像を語る。新生オーテックの第1号車は2018年春頃に登場する可能性が高い。車種は国内市場における日産のドル箱モデルの一つ、ミニバンの「セレナ」になるという。