華強北電気街にテントを貼って臨時で運営しているVRブース。買い物客で賑わう世界最大の電気街にあるこのブースも、それほど人が訪れない

 ところが、街中でVRコンテンツを見かける機会は中国でも非常に多い。ショッピングモールや本屋、果ては観光地の屋台村までVR体験コーナーがあり、気軽にVRコンテンツを楽しめるという意味では世界一かもしれない。

 もちろん、新しもの好きの深センではさらに見かける機会が多く、多様なVR機器が体験コーナーに並んでいる。ゲームセンターのようなしつらえで、1回の体験は20~30元ほど(350~500円ほど)のものが多く、ゲームセンターに比べると高い。

HMDを装着してジェットコースターの映像を流し、全体を映像にあわせて揺らすコンテンツ

 筆者は見慣れない機器を見たらとりあえず体験してみるようにしているのだが、深センに限らず中国のVRコンテンツは総じて完成度が低い。

 コンテンツの内容は迫り来るゾンビを倒す、ジェットコースターに乗る、空を飛ぶといった世界のどの国のVRゲームでもよくある内容だが、HMDとコンテンツの作り込みがいい加減で、非常に酔いやすい。原因はいくつかあり、いずれも日本で見られるコンテンツでは改善しているものだ。

本連載の第6回「深センに誕生した世界最大の書店は“文化不毛の地”を変えるか」で紹介した深セン書店中心でVRコンテンツを体験する筆者。このあと気持ち悪くなった

・Oculus Rift、HTC VIVTEといった欧米の有名製品ではない、あまり性能のよくない中華HMDを使用している体験ゾーンが多い。

・顔や身体を動かしたときにHMD内のコンテンツがうまくついてこない、フレームレートが低い。

・そもそも身体的な動きと画面内の動きが合ってないコンテンツが多い(本人は歩行を検知するデバイスをつけて歩くが、画面内では部屋ごとにワープして移動するなど)。

 日本のVR専門エンターテイメント施設、新宿やお台場にあるVR ZONE等と比べると、体験としてはまだまだだ。休日になると新しもの好きの子どもがVRを楽しんでいるのをたまに見ることはできるが、リピーターでいっぱいというほどではない。