ジャパンサミットで得た
最も大きな成果とは

©SingularityU Japan Summit

――今回のジャパンサミットに参加したのはどんな人たちですか。

パトリック 今回私たちは、日本にある組織内外の縦割りをなくしたいという強い思いから「Shaping Japan’s Future Together―日本の未来を共に形づくる」というテーマを掲げてサミットを開催しました。エクスポネンシャルなテクノロジーに関係するさまざまな日本企業と面談し、最終的にそれぞれの産業から10社を共同設立パートナーとして迎え入れました。そのパートナー企業ごとに候補者が推薦され、最終的に各社20人ずつの社員が参加しました。これにグローバルパートナーのデロイト トーマツ コンサルティングから20人、さらに、私たちがぜひ参加してほしいと考えるインフルセンサーやビジネスリーダー80人ほどを招待し、計300人が参加しました。

 欧州では、すでに何千人もの参加者が集まっていますし、20万~30万円という参加費でも、あっという間に参加枠が埋まってしまいます。だからといって日本でも同じやり方が適切かというと、そうではないと考えます。今回、日本の未来を変え、一緒に気づきを得るために、日本の企業と一緒に広げる方法を取りました。日本では企業の存在が大きく、それがこうした取り組みを広げる上での力になり得ることも、TEDxTokyoの立ち上げで学んだからです。

――3日間に行われた数々のプレゼンテーションの中で、参加者からの反響が最も大きかったのはどの分野でしたか。

パトリック 特に反響があったのは、エネルギーの未来予想についての講義ですね。再生可能エネルギーの価格が今の石油エネルギーの価格と同レベルになる日は、もうすぐそこまで近づいているし、その先には、エネルギーの価格が限りなくゼロに近づくことが予測されている。ジェレミー・リフキンが示した限界費用ゼロを実際に実現させるテクノロジーは参加者にとっても興味深いものだったようです。

 また、脳科学や寿命の研究、未来の仕事の在り方について注目が集まっていました。日本ではこうした未来予測に対して少しずつ改善を図っていくことが一般的かもしれないけど、シンギュラリティ大学のアプローチでは、テクノロジーの力で根本的な大きな課題の解決を図ろうと試みます。それが荒唐無稽な方法であってもです。サミット終了後のアンケートでは92%もの参加者が未来への考え方や見方が変わったと回答しています。サミットを通して、エクスポネンシャルな変化が今後10年で起こるということを信じるようになった人の割合も一気に高くなりました。最先端の技術もさることながら、思考プロセスそのものも、参加者にとっては刺激的だったのではないでしょうか。