“本当の終わり”の始まり?

 そんな構造の転機となったのは、2015年の森信親氏の金融庁長官就任。森氏が「顧客本位」や長期の資産形成を重視する中、毎月分配型がやり玉に挙げられたことで販社は一斉に自粛へ動いた。

 その結果、投資信託協会のデータによると、17年上期には10年以降で初の資金流出に転換。さらにこの数カ月間は、運用成績の悪化を主因に分配金引き下げの動きが相次ぎ、これも“分配型離れ”に拍車を掛けている。そのような傾向は、フィデリティ投信の大型の毎月分配型でも同様だ。

 こうした経緯も踏まえると、冒頭の広告は「分配金を貯金に回すぐらいなら複利効果が働く成長型に資金を回すべきだ」とのメッセージと受け取りたくなる。ただ、フィデリティ投信としては「本来の運用目的とのミスマッチをなくすことが訴えたい点であり、成長型・分配型共にニーズのある重要な商品」(嶋田京子マーケティング部長)と位置付けているという。

 とはいえ、一気に反転した販社の消極姿勢は簡単に崩れそうになく、毎月分配型が息を吹き返す局面は想定しにくい。前出の運用会社幹部は、冒頭の広告が毎月分配型の「“本当の終わり”の始まりを暗示するように映る」とも呟く。

 あるべき資産形成の姿が根付く裏返しなら消費者にとっては喜ばしい話だが、業界側の打ち出し方は何とも難しい局面を迎えている。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 竹田幸平)