この動きは郊外エリアにも広まっていく。たとえば年明けから販売センターを開く横浜白楽レジデンス(大成建設、有楽土地)は長期優良住宅認定を受け、長期優良住宅先導事業にも選ばれたマンションだ。販売センターのオープン前だったため、今回のリストには出てきていないが、これも注目物件となる。

大震災後に増えだした
「停電対策」マンション

マンションの防災意識は、東日本大震災以降、急速に高まった。備蓄用品の見直し(左)や、飲料水の備蓄(右)への関心も高まっている。プラウドタワー東雲キャナルコートのマンションミュージアムにて。

 東日本大震災の後、各マンションは「備蓄」を拡充している。非常用の水や食料を備えるのはもちろん、「電気の備蓄」という新たな試みが注目されている。 

 昨年3月11日の地震直後、首都圏では停電による影響を受けたマンションが少なくなかった。エレベーターが停まり、水道のポンプが止まったためマンション内住戸で断水が起き、エントランスの自動ドアが開かない、機械式駐車場から車が出せない、といったことが起きた。

 その経験を踏まえ、最新のマンションでは自前の緊急用発電装置を拡充する動きが進んでいる。それも単に発電装置を置くだけでなく、発電機を動かすための燃料(重油)を多く備蓄している。

 たとえば、シティタワー赤羽テラスでは、地上23階建て全110戸に対し、敷地内に1950Lの燃料を備蓄し、「48時間稼働」を実現している。そのため、エレベーターはもちろん、水道のポンプにオートロックのインターホン・自動ドア、共用部の照明が48時間、普通どおりに使える。そして機械式駐車場装置にも、すべての車を1回出し入れできるだけの電力が供給される。

 自家発電用に大量の燃料を備蓄する場合、燃料保管場所の確保と、消防法等の規制との兼ね合いが重要な問題となる。シティタワー赤羽テラスは、平置き駐車場スペース1台分をつぶして置き場を確保した。1950Lというのは、常駐管理者を置かなくてすむギリギリ限度内の量になる。

 超高層マンションの場合、エレベーターの稼働が命綱となるが、3月11日の地震後に私が調べた限りでは、非常用電源でエレベーターを動かしたケースはなかった。
「非常用電源を動かすための燃料はあったが、それは急病人や火事が発生したときのために温存した」ためである。

 実際には当日首都圏で停電が発生した地域では6時間以上停電が続いたところが多く、消防法が定める「エレベーターを4時間動かすことができる非常用電源」の備えだけでは、カバーできなかったはず。だから、「万一のために、非常用電源を温存した」という姿勢は正しいといえる。こうした教訓を生かし、より多くの燃料を保管し、非常時の使い勝手を上げようという動きが出るのは当然の結果といえるだろう。