文法は「質問できる」を目標にする
英文法を学ぶにしても、紙と鉛筆だけのお勉強に終わらないことが大切です。文法テキストなどで体系的に学んだ表現を使って、英文をつくることを目指しましょう。とくにこの段階で大切にしていただきたいのが疑問文です。
「yes/no」で答えるタイプのいわゆるクローズドクエスチョンはもちろん、5W1Hの疑問詞を使った質問、さらには「How old are you?」だとか「How long does it take?」とか「What time is it now?」といった、日常生活で必須の疑問フレーズをまとめて学んでしまうのがいいでしょう。
文法を学ばなくても、子どもは自分のことを英語で語れるようになります。しかし、一方的な自分語りだけでは、現実のコミュニケーションは成立しません。目の前の相手に興味を持って質問を投げかけることは、人間関係を築いていくうえでも大切です。
また、相手の言うことを聞いて納得しているだけでも、真に知的な態度だとは言えません。とくに「なぜ(Why?)」の視点は、単なる語学力にとどまらない意味を持っています。
「なぜこのような自然現象が起きるのか?」「どうしてこんな歴史的事件が起きたのか?」というアカデミックな好奇心を育んでいくうえでも、問いを発する力を基準にしながら、子どもの英語力を見守っていくようにしましょう。
※注:本記事の内容は『ほんとうに頭がよくなる 世界最高の子ども英語』から抜粋・再構成したものです。記事中の参照文献・おすすめ教材などは、こちらのサポートページでご確認いただけます。
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J PREP斉藤塾代表/元イェール大学助教授/元衆議院議員。
1969年、山形県生まれ。イェール大学大学院博士課程修了(Ph.D.)。研究者としての専門分野は比較政治経済学。ウェズリアン大学客員助教授、フランクリン・マーシャル大学助教授、イェール大学助教授、高麗大学客員教授を歴任。
2012年に帰国し、中高生向け英語塾を起業。「第二言語習得理論(SLA)」の知見を最大限に活かした効率的カリキュラムが口コミで広がり、わずか数年で生徒数はのべ3,000人を突破。海外名門大合格者も多数出ているほか、幼稚園や学童保育も運営し、入塾希望者が後を絶たない。
主な著書に、『ほんとうに頭がよくなる 世界最高の子ども英語』(ダイヤモンド社)のほか、10万部超のベストセラーとなった『世界の非ネイティブエリートがやっている英語勉強法』(KADOKAWA)、『10歳から身につく 問い、考え、表現する力』(NHK出版新書)、また、研究者としては、第54回日経・経済図書文化賞ほかを受賞した『自民党長期政権の政治経済学』(勁草書房)がある。