株価暴落後の相場は、長期にわたって低迷してしまう。しかし、その低迷期にあっても上下を繰り返す。過去に倣えば、まもなく底入れから反発のタイミングであろうか。
先進諸国の中央銀行が協調してドル資金供給策を講じ、加えて欧州中央銀行(ECB)は利下げのほか、3年物の長期資金供給オペ(LTRO)で約4892億ユーロもの巨額資金を提供したことから金融システムに対する不安は一時和らいだ。
しかし、それらは「時間を買う政策」にすぎず、ECBが無制限の量的緩和に踏み切るまで油断できないとマーケットは考えているのではないか。欧州各国や金融機関が格下げとなったり、ギリシャ、ハンガリー、イタリアなどのデフォルト懸念が高まると、市場心理を一気に冷やしてしまう可能性が高い。もうひと波乱起こりそうな雰囲気が残っている。
日本株において相場反転の夜明けは近いと考えるが、夜明け前がいちばん暗いのかもしれない。夜明けが近いとする根拠に「歴史は繰り返す」ことを指摘したい。
前回は「時価総額が国内総生産(GDP)の半分になるまで値下がりすれば株価は底」というアノマリー(投資理論では説明できない市場の規則性)を紹介した。今回は「暴落後の長期低迷相場を繰り返す」というフラクタル(相似性)を紹介する。