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運転しながらレストラン検索、ツイートは当たり前!?
車とネットが融合した「コネクティッドカー」の未来

瀧口範子 [ジャーナリスト]
【第179回】 2012年1月18日
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 アウディも未来的な構想を発表している。HUD(ヘッドアップ・ディスプレイ)を呼ばれる表示技術で、フロントガラスをスクリーンとして、情報を映し出すというものだ。ドライバーは前方を見ながら、道路と情報を同時に見ることができる。ナビゲーションはもちろんのこと、現実の風景にインターネットから引き出された情報がオーバーラップする、いわゆる「オーグメンティッド・リアリティー(仮想現実)」技術も持ち込む予定という。

 ドライブ中でもいつもと同じインターネット接続状態を提供するのを「コネクティッドカー」と呼ぶが、その導入に特に積極的に取り組んできたのがフォードだ。同社は、2007年から「Sync」サービスを開始し、車内でツイッターやインターネット・ラジオが利用できるようにし、音声操作も可能にしていたが、今年は、スマートフォンとのシンクをより一層進めている。たとえば、スマートフォンから、目的地の住所を自動車に送ることなどが可能。また、ナビゲーションでは、リアルタイムで渋滞情報を統合して、変更ルートを提案したり、目的地の運転時間を知らせてくれたりする。

 こうしたコネクティッドカーのしくみは、自動車の車内がよりスマートになって、ドライバーがインターネット生活を車内でも楽しめるだけではない。車同士が自動的にコミュニケートしたり、道路などのインフラを感知したりする、いわゆるテレマティック技術が本格的に始動する時代へどんどん近づいているのだ。

 また興味深いのは、ソフトウェアはアップデートできるということだ。これまでならば、車はモデルチェンジで機能の刷新を図っていたが、ソフトウェアはちょうどPC用のソフトやスマートフォンのアプリが、いながらにしてアップデートされて新しくなるのと同じように、車自体は同じでもどんどんバージョンアップされる。フォードでは、これを「顧客との関係性が新しくなる」契機と捉えているといい、こうしたことが今後は自動車の販売やメンテナンスなどのあり方にも、影響を与えかねないのだ。

 運転中までコネクト状態というのも、やや食傷気味ではある。だが、コネクティッドカーのビジネスは、もっと先まで広がっているのだ。

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質問1 車とITが融合した「コネクティッドカー」、発売されたら…



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瀧口範子
[ジャーナリスト]

シリコンバレー在住。著書に『行動主義: レム・コールハース ドキュメント』『にほんの建築家: 伊東豊雄観察記』(共にTOTO出版)。7月に『なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか?世界一IQが高い町の「壁なし」思考習慣』(プレジデント)を刊行。

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