超精細な「絵」の先にあるものは何か――。
米国で開かれているCES(国際家電見本市)で、パナソニックやシャープなど日本の家電メーカーは、これまでにない超精細なディスプレイをそれぞれ展示した。あまりにもきめ細かいために、いわゆる3D映像ではないにもかかわらず、我々が普段、肉眼で見ている風景と同様に、立体感すら覚えてしまうほどの鮮明さである。
パナソニックの参考展示に長い行列ができたのは、私たちがテレビで視聴できるフルハイビジョン(約208万画素)の4倍のきめ細かさで表示できる、「4K2K(通称ヨンケー)」(約830万画素)と呼ばれる液晶パネルを見るためだ。画面サイズが小さければ小さいほど、作るのが難しいのだが、同社の「4K2K IPSα液晶パネル」は、世界最小の20インチで実現した。
実際にパネルに表示されていたビル群の写真では、その画質を見比べることができる。4K2K対応のパネルでは無数にそびえる建物の窓のひとつひとつや、細かい影まで、そのシルエットや濃淡がボンヤリせずに確認できる。また宝石などを並べた写真では、銀などの質感がよりきわだって見える。
この「4K2K」はまだ聞き慣れないことばだが、すでに水面下ではいろいろな取り組みが始まっている。ハリウッド映画でも4K2Kのカメラで撮影がなされている他、動画投稿サイト「Youtube」も4K2Kの映像をサポートすることを表明している。またグーグルの地図機能の一部で、実際に街中の写真を検索できるストリートビューでは「すでに4K2Kのカメラで撮影を始めている」(大手電機メーカー幹部)という。
これらのサービスが実現すれば、ディスプレイの中の世界が、よりリアルに近づいてくる。