自動車産業の舞台は
機械からITへ確実にシフト
デトロイトから直接、ラスベガスへ飛んだ。
アキュラ「NSXコンセプト」、レクサス「LF-LC」など北米国際自動車ショー(通称デトロイトショー)で2日間を費やした後、取材の舞台をCES(コンシューマ・エレクトロニクス・ショー)に移した。筆者と同じ空路で、フォードのアラン・ムラーリ社長、ダイムラーのティーダー・ツェッチュ社長もラスベガス入りし、両者はCES併催のカンファレンスで講演した。
CESは元来、家電ショーだ。だが近年は携帯電話を中心としたIT系商品が主役となった。そこに自動車が本格的に登場したのは2007年。フォードがマイクロソフトと共同開発した車載用OSのSYNC(シンク)を投入した時だ。それが現在、世界市場で急激に進化し始めた「最新テレマティクス」の実質的な原点である(詳しくは本連載第95回『スマホがクルマを潰す時――日本は勝ち組か負け組か 自動車産業激変期に第3の波「テレマティクス」が本格化』参照)。
CESの会場は、同第92回『短命に終わったアメリカの「ジャパニーズ・チューニングカー」ブーム メディアが書かない“日本ガラパゴス系カルチャー”輸出失敗の真相』で紹介した自動車アフターマーケット見本市のSEMAショーと同じ、ラスベガス・コンベンション・センターだ。
Photo by Kenji Momota
同センターの展示スペースは、大きく3つに分かれている。中央がセントラルホール、その両隣に2階建てのサウスホールと1階建てのノースホールがある。
SEMAショーの場合、セントラルホール中央にはフォード、GMが陣取り、その周りを米系の有名部品ブランドが取り囲む。それがCESになると、セントラルホールにはサムソン、LG、パナソニックなど大手電機メーカーが出展。セントラルホール手前のSEMAショーでは小規模チューニングメーカーが出展するスペースに、インテル、マイクロソフトなどがブースを構える。