もちろん、外国債券は円安になると儲かるのだが、円安になると外国株式も儲かるし、現在、国内株式も円安局面で儲かるようになっている。実は、機関投資家の運用にあっても、円安・円高に運用全体の結果が左右され過ぎることが悩みの種として議論されることが多い。

 率直に言って、GPIFと同じ大きさのリスクで、GPIFよりも高いリターンを目指すには外国債券を減らして、内外の株式を少々増やすのが有効である。

 一般に株式と債券には、例えば景気が悪化した時に株価が下がる一方で、金利が低下して債券価格が上がるといった補完関係が期待できることがある。だが、現在の国内債券は、日銀によって利回りが人為的に引き下げられているし、外国債券も好景気を背景に米・欧で金融政策が引き締めに向かう中で、是非持ちたい資産ではない。

 また、長期国債を買っても利回りゼロの国内債券に関しては、現在個人は、「個人向け国債変動金利10年満期」を買うことができるので、ある意味ではGPIFよりも有利だ。個人向け国債(変動10)は、銀行預金よりも安全で、長期金利が上昇しても元本割れしないし(「国債暴落」に強い国債である)、現在の利回り0.05%はメガバンクの定期預金金利(0.01%が多い)よりも有利だ。

 個人の場合、例えば「iDeCo」と「つみたてNISA」を両方やって、いずれでも「国内株式」と「外国株式」に半々(または国内4:外国6)に振り分けるといい。積立投資でリスク資産はゆっくり増えるので、全額を内外の株式投資に振り向けていい場合がほとんどだろう。

 長年積み立てて運用すると、リスク資産の額が大きく膨らんでくるが、始めて数年間はたいした額にならないので、内外株式をそのまま抱え続けて、積み立ても続けていいだろう。そうしているうちに、徐々にリスクにも慣れてくるにちがいない。

 将来、内外の株式の評価額が、「リスクが過大だ」と思うくらいの金額になった場合には、もちろん自分の資産なのだから一部を安全資産に移したり、新たな積立額を減らしたりしてもいい。だが、理想的には、「iDeCo」や「つみたてNISA」以外にもそれなりの資産を保有しているはずであり、これらの税制優遇のある運用口座に入っているリスク資産は、そのままでいい場合が多いはずだ。

「iDeCo」の中で、定期預金や元本確保型の保険を選んだり、いずれの口座にあっても債券を含むバランスファンドに投資したりするのは、運用益非課税の税制上のメリットを十分活かせないので「もったいない」。