「間隔を空けて思いだす」と
知識を忘れなくなる
結果を見ると、学んですぐの練習でもそう悪くはないと言える(27%が思いだせた)。とはいえ、練習を4週間後まで遅らせた学生になると、思いだせる確率は倍になる。このようなパターンは数多くの研究で明らかになっている。
ただし、最適な練習のタイミングは、いつテストをするかによって異なる。忘れる直前に思いだすことで完全に忘れることは防げるが、思いだすタイミングによってその効果にはばらつきがあるのだ。最適なタイミングで思いだす練習をすると、忘却曲線(第1回参照)は図表2のようになる(注2)。
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たった1回の練習で、完全に忘れる直前の状態から、かなり思いだせる状態になるのだ。この図表の最終形を見てみよう(図表3)。学んですぐに思いだす練習をするのも悪くないが、間隔を空けて思いだす回数を増やすほどよいという。ならば、間隔を空け、かつ何度も思いだす練習をするとどうなるのか?答えは図表3が教えてくれる。
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これで「忘れること」とはもうおさらばだ。今日学んだ単語はしばらく寝かせておく。覚えているかどうかを確認したくなったら、思いだせるかどうか試みて、またしばらく寝かせる。これを完璧に忘れなくなるまで続けるのだ。
覚えた単語を寝かせているあいだは、別の新しい単語を学んでそれもまた寝かせ、しばらくしてから思いだす作業を繰り返して長期記憶に組み込む。脳に柔術を直接アップロードできるような時代がくれば別だが、大量の情報を永遠に記憶したいなら、現時点ではこのやり方が最も効率的なのだ。