「ワクチンは効かない」という指摘は
本当なのか

 ところで、インフルエンザが大流行している理由の1つに「予防ワクチンの供給不足」を挙げたが、「本当か?」と疑問に思う人もいるのではないだろうか。

 実際、筆者の周辺でインフルエンザにかかった人のほぼ9割は「予防接種をうっていたのにもかかわらず、かかった」と言っており、しかも全員「症状も重かった、ぜんぜん軽くなかった」と話し、「インフルエンザワクチンって効かないよね」と憤慨している。

 これに対して、医師や専門家は、「ワクチンを接種していてもインフルエンザを完全に予防することはできないが、ワクチンには予防効果だけでなく、重症化を防ぐ効果も期待できるので、受けておいた方がいい。特に高齢者や妊婦、喘息等の疾患がある人は」と口をそろえる。

 ならば、そこそこ健康で、重症化するリスクも高くない人ならば、思い切ってワクチンの接種を止める…という選択もありなのではないか。

 だが、そうでもないようなのだ。

 1962年から1987年まで、日本ではインフルエンザに対し、小中学校で強制的に集団予防接種が行われていた。しかし副反応の事例が報道され、不安をかきたてられた保護者の気持ちを汲み、1987年以降は任意接種になっている。

インフルエンザワクチン接種と
重症化と死亡率の関係は?

 結果、どんな事態になったのかについて、日本の厚生労働省の死亡統計を詳しく調べ上げて書かれた米国の研究者(日本人の共同研究者もいる)による論文がある。