と同時に、BMIの水準や上昇の時期、男女パターンの違いから、各国がさまざまな推移をたどっていることも分かる。各国の推移を思い切ってグルーピングすると、以下の5つに区分できよう。

(1)アングロサクソン型(米国、英国、オーストラリア)

 男が女をやや上回り、しかも男女ほぼ平行して、かなりの肥満化の方向をたどっている点が共通である。この3国では、かなり以前から男女ともに平均値が日本基準の肥満となっている。ここにデータを示していないが、カナダやニュージーランドといった他の英語圏諸国も同様の動きとなっている。

 体格の推移でも、きっちりと男女平等を具現している点が、欧米文化圏の中でも特異である。いずれ本連載で触れたいと思うが、女性の方が低いという自殺率の男女格差が狭まっているのも、アングロサクソン型の特徴である。

(2)欧州型(フランス、ドイツ、イタリア、スウェーデン)

 アングロサクソン系である英国を除く、ヨーロッパ諸国のパターンである。当初の男女同レベルから、だんだん男は肥満化、女はスリム維持の傾向をたどっている点が共通している。

 ドイツは、女性も日本基準の肥満以上にBMIが上昇している点で、アングロサクソン型との中間型ともいえる。BMIレベルそのものが異なる点を除けば、日本もこのパターンに近いといえる。

(3)東アジア型(日本、シンガポール、中国、韓国)

 BMIレベルが世界の中で最も低いグループに属する点と、早い遅いはあるが、男女の差が開いて来ている点が共通している。

 中国と韓国は、男女が同じように非常に痩せている状況から、経済発展とともに、男女が平行して体格改善(BMI上昇)し、その後、韓国、そして少し遅れて中国で男女格差が日本やシンガポールのように開きつつある。

(4)女性超過型(ロシア、ナイジェリア、メキシコ)

 以上三つのパターンとは異なり、女性より男性の方がスリムなまま推移している点が共通している。ロシア、メキシコでは、女性の肥満傾向が目立っている。ロシアは1990年代に一時期、BMI推移が横ばいとなったが、これはソ連崩壊後の社会混乱による影響とみられる。

 ここではデータを示していないが、インドネシア、タイ、エジプト、トルコ、南アフリカ、ペルーなど世界の多くの国では、高度成長期までの日本と同じく、BMIが女性超過となっており、このパターンは、実は、世界的には一般的であることが分かる。